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外壁材を選ぶ基準

いつもホームページをご覧いただきありがとうございます。

今回のテーマは『外壁を選ぶ基準』です。

日本サッシ協会によると2024年の調査での住宅用建材使用状況のシェア率です。

窯業系サイディングが圧倒的に多いのですが弊社では使用しないこととしています。

なぜ使わないのか?結論を先にお伝えすると、耐久性、メンテナンス性、景観、本質を重視し、ご提案しているからです。

外壁材は大きく分けて『① 塗膜により吸水しない材(工業製品)』、『② 塗膜はなく吸水するが性能を維持する材(自然素材)』、『③ 焼き物外壁』の3つに分かれます。

ここからはそれぞれの外壁材のメリットとデメリットです。

 

① 塗膜による吸水しない材(工業製品)

窯業系サイディング、ALC、リシンなどの吹付、ジョリパッドなどに代表される塗装の膜を作って防水する外壁です。

初期費用がお値打ちなものが多く、日本の8割以上がこの外壁を採用しています。

上記全ての材料が『塗装の膜』によって基材が守られている仕組みで、逆にいうと『塗装の膜』がダメになったら吸水しだし、ほっておくと強度が保たれずぼろぼろになってしまうのが特徴です。

そのため10年ごとぐらいの塗り替えは必須。

デザインは様々なものがあり、職人ごとの力量による仕上げの違いがあまりないため、ハウスメーカーなどをはじめとした採用率が高いわけです。

使いやすい反面、先々の塗装でお金のかかる外壁。

塗った直後が最高に美しくあとは劣化するのみで、10年経った後にまた新品のような表情になるところが自然でなく、不自然だと感じます。

建物は自然の中に建てるものだから、例えば森の中の魔女の家がサイディングの家だったとしたら絶対におかしいと気づくはずです。

塗装を後回しにすると、基材が吸水し、強度を保てなくなります。傷んだ際の張替えが難しく、おおよそ柄は廃盤になっているため、全面張替えとなるリスクも高いでしょう。

お金がかかり、メンテナンス性が悪く、不自然なので弊社では使わないこととしています。

 

① ’ 塗膜による吸水しない材(ガルバリウム鋼板)

ガルバリウムも塗装によって表面を保護していますが①の材料と違う点は、その基材自体が吸水せず、傷みにくいという点です。

街中でも多く見かけますが、軒ありのガルバリウム外壁は要注意です。

空気中には様々なほこりがとんでいて、ガルバに帯びる静電気のせいかガルバリウムに付着します。

雨で洗い流される部分(屋根など)は大丈夫なのですが、軒を出した家の外壁にガルバリウムを使うと軒下だけ雨で洗い流されません

私も昔は軒ありガルバリウムを使っていましたが、地域によっては2,3年でも軒下あたりに白さびが出てくるでしょう

どうしても軒ありガルバリウムにしたい方には、屋根下あたりの外壁をたまに洗ってくださいとお伝えします。(2階建てだとなかなか難しいのですが)

 

②塗膜はなく吸水するが性能を維持する材(自然素材)

弊社で採用率の多い木外壁、そとん壁・モルタルなどの塗り壁系の外壁材です。(ジョリパッドなどの樹脂系塗り壁は①なので違います)

弊社の場合、木外壁は高級でなくガルバリウムの外壁と同じぐらいの費用で施工可能です。

全国平均で採用率が圧倒的に低い理由は、費用の面と職人の手により仕上がりの差が出るということからだと思われます。

また木外壁の場合は木が傷むという懸念からさけられるのかなと思います。

傷んで見える(劣化が早くみえる)最大の原因は、『①塗膜により吸水しない材』との合わせ技が一番の原因だと考えます。

①の材はできた瞬間が最大に美しく、それを保とうとするが10年後ぐらいに急にがたつく材料。

②はできた瞬間の表情から年数が経っただけ変化が生まれる(経年美化)材料。

根本的に『質』が違います。合わせて使う材ではありません。

初期費用はサイディングに比べれば高くなると思いますが、その後の手の入れやすさが違います。

傷んでも、絶対に廃盤がありませんので部分的に張り替えること(塗り替えること)が可能で、塗装するとしてもDIYにて施工が可能です。

10年経てば、10年経った表情を見せる、それが自然素材の良さです♪

 

③焼き物外壁

タイルに代表する焼き物の外壁。

吸水しないし、表情を変えることもない不老不死のような材料です…。

でも弊社の場合はおすすめしていません。

理由として、タイルが傷むことはなくても地震などで揺らされると下地のサイディングから剥離して割れます。そのころには柄が廃盤になっているため部分的な再施工ができません。

もう一つ、建物自体が重くなること。地震力による建物への影響の計算式には重さが掛け算でかかわってきます。軽いほうがどう考えても有利。

メンテナンス性は良さそうなのですが、再施工がほぼ不可能で建物が重くなる。

長い年月が経っても表情が変わらない、年数を重ねた味わいは一切ないのが不自然だと感じます。

とても高いお金を払った割には、3、40年後に傷んでいる際には、直すことが一番大変な材料だと思います。(パッチワークなら大きなお金にはなりませんが…、見た目はちょっと)

 

外壁材は様々な特徴があり、でも基本的には会社ごとのおすすめのものを選びがち。

あとはインスタで見た、よさそうな写真をもとに髪型をまねるように、外壁材も真似てみたり。

でも大事なのは長期的に見たときの耐久性、メンテナンス性ではないでしょうか。

また自分ちだから何色の外壁でもいいじゃん、何色に塗ってもいいじゃんってことはおかしいと思います。

地域や景色に馴染み、自然に寄り添うこと、弊社はそれが大事だと考えています。

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