HOUSE 住まいの情報

…エアコンが効かない。

いつもホームページをご覧いただきありがとうございます。

先日エアコンが効かないというトラブルがありましたので、なぜだったのか?ということを書きたいと思います。

弊社は夏もエアコン1台のみで家じゅうを冷房する方式をとっています。

たくさんのエアコンを使えば室温安定は簡単なのですが、エアコン導入コスト、故障時、交換時、室外機の置き場、光熱費などせっかく高断熱高気密の家を造ってもそのスペックを活かさずに住むことになります(これまでの家と一緒)

それはとても無駄なことなので、できる限り少ないエネルギーで快適に暮らせるよう工夫し、提案をしています。

 

トラブルの状況:数日前まで涼しく快適だったのに、ぜんぜん冷えなくなった。機器の故障ではない。床下が25℃ 湿度70%、その他の部屋、数日前まで26℃だったが軒並み30℃付近 湿度50%。

弊社は建築後1年の間、温湿度をモニタリングしてアドバイスしています。大ピンチだったので、その日の夕方急いでお施主様の家へ行ってきました。

 

確認させていただいたところ3点気になりました。

1点目:エアコンが除湿自動運転になっている

2点目:室内の空気を動かす換気扇が止まっている

3点目:西日を受ける箇所に日除けが設置していない

 

『1点目:エアコンが除湿自動運転になっている』について

この住まいは共働きのため、すべて室内干しをしています。洗濯物のそばにエアコンがあるので除湿として使われていました。

でも部屋の湿度は50%。すでにカラッとしていますので除湿運転はものすごく控えめ。おまけに自動運転のため冷風もほとんど出ていませんでした。

対策:冷房運転に切り替え、風量を強運転にしました。電気代を使いそうな風量強運転ですが設定温度を下げるよりもよほど省エネです。また遠くまで冷気を飛ばすので1台運転の場合は風量強運転が基本

 

『2点目:室内の空気を動かす換気扇が止まっている』

エアコン1台で過ごすため、室内の空気を動かすような仕組みを取っています。(詳しくはお伝え出来ません、事務所か見学会にお越しください)

たかが換気扇ですが、されど換気扇。高気密だと換気扇を動かすだけで室内の空気がとても素直に移動します。

その動きを止めてしまうと地面を這うように移動する少しの冷気では部屋を冷やすことが難しくなります。

そこへ除湿運転の弱風運転が重なっていました。

対策:室内空気を動かす換気扇のスイッチを入れました。聞き取りではつい最近まで動いていた…とのことでしたので念には念をということで、室内空気がより動くような位置へ移動させていただきました

 

『3点目:西日を受ける箇所に日除けが設置していない』

高断熱の家だからまあいっかとなりがちな、東西の日差し対策。これはとても重要です。植栽で和らげる予定ですがまだ大きな成長をしていませんので人工的にする必要があります。東西面は時間帯で350W/㎡近い熱が入ってきます。それを一定の性能を持ったガラスでやわらげ室内に侵入します。
室内側で防ぐ場合、何もしていない場合に比べ3割減ぐらいですが、外部で防ぐと8割も減らせます。

※わかりやすく㎡をなくします

350Wをガラスとカーテンで防ぐと100Wぐらい室内に侵入します。この熱がエアコンと戦う元となります。

350Wをガラスと外側の日よけで防ぐと35Wぐらいまで減らせます。エアコンに少し余裕がでます。

曇りだろうと外が暑ければ入ってきますので油断はできません。

西日の方が悪そうに感じますが、外気が暑くなる前の東の陽なのか、外気の暖まったあとの西側の陽なのかの違いなのでどちらも一緒。できれば両方防いであげましょう。

もう一つ、地面の照り返しも注意しましょう。

対策:北のハキダシ窓からの北西の日射がきつく感じるようなので、タープの検討をしていただくことになりました

 

その後見守っていますが、無事解消されました。

温度は1℃差程度で安定し、湿度も低い状態を保っています。エアコンの消費電力も昼間ならこれぐらいでしょう。

 

毎年のように異常な酷暑となり、しっかりした暑さ対策が必要になってきました。

箱型の建物の吹き抜けなどで、庇なく窓がついている家を見ますが、いったいどんなことになっているんだろうと想像するだけでぞっとします。

エアコン入れてもたぶん日射と輻射熱で室内はぐったりしているでしょう。

見た目と性能だけでなく、日射のこともちゃんと考えて家造りすることをおすすめいたします。

考えた家づくりをご希望の方はこちらから。

30年以上、毎年暑さと戦うのはやめましょう(汗)

CONTACT お問い合わせ

電話する

お問い合わせ