HOUSE 住まいの情報
冬の断熱材と気密の効果。
11月も半ばを過ぎ,朝晩はずいぶんと冷えてくるようになりました。
断熱と気密がいいと何が違うのかを具体的に書こうと思います。
今回のテーマは『冬の断熱材と気密の効果』です。
シミュレーションも大事ですが実際の温度が何より正しいと思いますので,測ってみました。
比較するのはUa値0.9 10Kと呼ばれるグラスウール100㎜が使われている我が家。目安は約25年ぐらい前からの家。
(もしかすると変わらない施工をされている大工さんは最近でもこれです)
もう1件はリノベモデル Ua値0.27 ニコハウスの標準の住まいより少しいい性能。
11/19 6:20 外気温は 7.2 ℃
断熱の悪い,昔建てた我が家。
床が冷たいなーと思って測ってみると 1階の床は15.1℃,壁が15.9℃,昨晩エアコンを使っていた2階は床が18.7℃,天井は19.6℃でした。
上下の温度差で約5℃。
サーモカメラで寒い原因のアルミサッシ廻りを見てみると
12.3℃を示してました。室内との差は8℃近くにもなります。
露点温度はもうすぐそこ。もう少しすると結露が表れてくる数字です。
断熱のいいリノベモデルを計測してみます。
入った瞬間ほんのり暖かいのですが
床は19.0℃,壁が18.9℃で吹き抜けた屋根面は19.1℃。
上下の温度差はまったくありません。
同じく窓廻りを見てみると
木製の性能のいい窓ですが17.1℃。室内との差は2℃程度。
ちなみに断熱した土間も測ってみると
土間床ですが18.5℃なので床や壁などと0.5℃しか違いません。誤差の範囲です。
同じ19℃ぐらいの室温でも,断熱のいい住まいと悪い住まいとでは感じ方が変わります。
それは床や壁,天井,サッシの周りの温度差が違うからです。
我が家の2階リビングは確かに19℃あるのですが寒く,暖房を一切入れていないリノベモデルの19℃は入った瞬間ほんのり暖かい。
これは言葉でなく実体験でないとわからないと思います。
リノベモデルは現在 6帖用のエアコン1台を可動させています。
グラフを見るとわかりますが1Fと2Fの温度差が誤差程度です。
これに合わせて気密がかかわってきます。
リノベモデルはC値0.8で,寒い我が家はC値,測定不能(5.0とかでしょうか?)です。
我が家にいるとコールドドラフトに代表する空気の動きを感じ,気密も悪いので外気の流入があるように感じます。
リノベモデルではコールドドラフトがないのもあって空気の動きは感じません。
この気密も体感にかかわっているなという実感があります。
なんとなくいい断熱を使ったり,やたらと気密の数字を追ったりすることでなく,実際に住んでみた時の体の感じ方が大事になってきます。
寒くなってくると動きが鈍くなり,ヒートショックの危険性もでてきます。
新しく住まいを作る際も,リノベーションをする際にもすみごこちにかかわってくる断熱と気密。
全館空調に代表する爆エネを使った快適性は地球環境を考えても,10年後の機器の故障やメンテナンスを考えても,いいと思えません。
未来の子供たちに住みやすい地球を残すためにも,少ないエネルギーで快適に過ごせる住まいが必要だと思っています。
家づくりの参考に なれば幸いです。