HOUSE 住まいの情報
断熱材を使い分ける理由。
弊社ではグラスウール,ネオマフォームという2種類の断熱材を,使う部位,物件によって使い分けています。
結論を先にお伝えすると『コスト』と『施工精度』を大事にしているからです。
同じ断熱性能分の厚みを弊社の『コスト』で比較するとネオマフォームはグラスウールの2.35倍ほど高くなります。
『施工精度』とは…同じ断熱材でもちゃんと入れた場合となんとなく入れた場合とで実際の性能値が最大で2倍ほど違うこともあります。
100㎜の断熱材でも入れ方で50㎜分しかきいてないってことです。
断熱と防湿の精度の高い施工はとーーーーっても難しいということは知っておく必要があります!
最初にグラスウール 弊社ではパラマウント硝子工業のフルカットサンを使っています。
グラスウールはコスト面でお値打ちで,使いやすい材料ですが高い施工レベルが必要になります。
一般的な壁はわりと簡単に施工できるので,丁寧な施工を心掛ければ一定の性能は確保できます。
難しいのは障害物がある場合と屋根面を施工する場合。
障害物の廻りは断熱材を丁寧にカットし,どうしても難しい箇所はウレタンなどを吹き付けて補填する必要があります。
屋根面は吊り木と呼ばれる木材があるとそのまわりを隙間なく埋めるのはほぼ無理です。おおよその施工になります。
また屋根は平らでないため,断熱材のカットをその屋根勾配に合わせて丁寧にやらないと隅の方では必ず断熱欠損がおこります。
最後にグラスウールを使った場合は湿気対策として防湿層を施工する必要がでてきます。
湿気は小さな隙間でも入ってくるため,連続させることが重要ですが,現場では連続させることが困難な個所が山ほどでてきます。
対策を考えて施工をしない場合,連続させることはほぼ不可能でしょう。
施工が難しいので,コストはお値打ちでも手間がとてもかかるのがグラスウールの特徴です。
次にネオマフォーム
ネオマフォームはコストが高いのですが施工精度の面でとても有利です。
弊社ではネオマフォームを外断熱で使うようにしていますが,家じゅうをすっぽり覆うようにして施工します。
外側から貼るため,目視でスキマが見つけやすく,目地を気密テープで止めていくので気密層がつくりやすくなります。
施工手間はネオマフォームの方が少なくてすみます。
外断熱の場合,防湿層が不要になるので電気配線と防湿面のわずらわしさから解消され結露の心配がぐっと減ります。
またネオマフォームは防火面でも認定が取れているため,木の外壁を施工する際の相性もバッチリです。
製品コストが高い点は手間の削減で補うことが出来ますが,グラスウールのような吸音性がないため,室内の反響音が気になることがあります。
施工の点で雨が降っている時や,雨でぬれた次の日など施工をすることが出来ないので,外断熱を覆うまでの雨養生の手間がかかります。
濡れたまま施工した場合,その面は二度と乾きませんので間違いなくカビが発生することになるでしょう。
この2つの特徴をお施主さまにお話しし,理解をしていただきながら断熱の提案をしています。
合わせ技も使いますし,どちらか片方だけということもあります。
そこは単純に『コスト』と建物形状による施工難度に伴う『施工精度』を加味いたします。
余談ですが弊社の最近の住まいではUa値は0.3ぐらい,気密性能はC値0.3ぐらいですがこのぐらいだと,12月ぐらいの外気温でも無暖房で現場内はとても暖かく感じます。
しっかりした高断熱住宅にしたい方,遠慮なくお問合せ下さい。
ここに書いていない断熱材
□吹付ウレタンフォーム
□セルロースファイバー
□調湿系断熱材(木質断熱,羊毛断熱等)
以前使っていたこともありますが,なぜ選択肢からはずしたのか・・・,知りたいマニアックな方もぜひお問合せ下さい。わかりやすくご説明いたします。