HOUSE 住まいの情報
造作か既製品か?費用を比較してみる。
一級建築士でニコハウス設計室代表の鈴木です。
今回は造作工事のコストについて考えてみようと思います。
一般的なイメージとして、『造作工事=高い』イメージを持たれるかなと思います。
その反対に『既製品=安い』というイメージもよく聞くお話です。
結論を先にお話しすると、それは間違ったイメージなのでせっかくなら造りましょうということになります。(弊社の場合だけかもしれませんが)
例として弊社の完成物件の造作を参考に費用を見てみましょう。
この写真の場合は床材を使った造作テレビボードを材料ごとで分解してみます。
幅は240cmほど。ネットで『無垢のTVボード 幅240cm』で検索。
無垢のTVボードだと20万円~ぐらいでしょうか。(10万円しないものは無垢でなく突板か木柄シート貼りです)
以下は写真の材料と制作費
① 床材:約1坪分 約20000円
② 下地と棚のラワン材:約30000円
③ 床下エアコンのがらり:約35000円
④ TVボードの引き戸:約18000円
⑤ 大工手間:約40000円
⑥ おまけの壁ヒノキリブパネル:約55000円
TVボード合計:198,000円(税別)
いかがでしょうか?ネットで販売している無垢のTVボードと同じかむしろ安く仕上がっています。
壁リブパネルがなければ143,000円。
寸法は全てオーダーで決めていますので自由自在、また床下エアコンのような特別なしかけも組み込むことが可能です。
おまけにこのTVボードはベンチとして座ることもできるので多くの来客があった時にも活躍します。
造作の方がよさそうに感じませんか?
別のシーンでも検証します。
この写真も造作部分がいっぱいですが、ダイニングテーブルを検証します。
弊社の丸テーブル(四角も可)は無垢のレッドオークハギ材というものを使って制作します。
オーダーのため1㎜刻みで制作できます。今回の写真のテーブルは1040㎜。既製品では絶対ないサイズ。
同じくネットで『無垢 丸テーブル 』で検索。
(10万円台はほとんど突板貼り:突板とは薄い無垢板のことで厚さ2~3㎜、下地は合板などです)
TVボードと同じく20万円を超えたぐらいからが相場です。
造作丸テーブル:φ1040㎜ 172,500円(税別)
いかがでしょうか?大きさが自由に造れて、家具を選ぶ手間もなく、建物にあった素材、オーダー家具でこの価格!
比較してみると造作を増やすことが、建物価格を高くしているわけではないことがわかります。
こういった造作は建築屋側のアイディアも必要になりますが、比較してみていかがでしたでしょうか?
もし注文住宅として建築を考えるなら、既製品に頼ることのない建物にしませんか?
買い替えの心配をされる方、模様替えの心配をされる方がいますが、無垢は手入れがDIYで出来、経年による変化は新品にはない味わいになります。
フルオーダーで建築を考えるなら、造作提案の多い会社をおすすめします。
『こんなことできますか?』と聞かれますが『ほぼできます』。ないものを造るのが仕事だからです。
ほかにも壁掛けのオリジナルフック
8角形の末広がりのれん棒
ほしいなと思ったものは、なんでも造ってしまいます。
遠慮せず、お声かけください。
みなさまよろしくお願いします。