HOUSE 住まいの情報
結露してるかも?!
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
今回の住まいの情報は『結露』について。
これからの季節窓際にびっしりとつく結露。目に見えている結露は拭けますが、目に見えない壁の中は拭けません。
見えない結露は、見えないカビの巣になります。
以下は冬に壁の中で起こることをイメージしてください。
湿り空気線図が有名で、室温20℃で湿度50%だとその空気が9℃ほどの壁に触れると結露します。
コップのように水滴がつくわけですが、一時的についてしまうのは仕方なくて乾けば全く問題がありません。
どこにつくかというと、断熱材の屋外側の壁内側につきます。
コップの中の水が屋外、コップの外側が壁、室内は同じく室内。
高い温湿度の空気は低いほうへ低いほうへと動きます。この現象は当たり前なので誰にも変えることはできません。
この結露をなくすには高い温湿度の空気が低い温湿度の部分と出会うことを断ってあげれば解消されます。
高い温湿度の空気が壁の中を通って冷えた外側の壁材に出会わなければ結露は起きません。
そのために内断熱という方法をとる場合、最近では内側にビニールを貼ることが当たり前になってきました。
このビニールを貼っていない状態がおそらく15年以上前ぐらいなのですが、めちゃくちゃ多く存在します。
袋に入ったグラスウールというのが多いのですが、ほとんどの施工者においてビニール(防湿)の大切さがわかっていなかったため、壁の中にはじゃんじゃん高い温湿度の空気が入っています。
外気温が9℃なんていうのは豊橋では普通によくある外気温です。
そうなると冬の間中、壁の中が結露していることになりそうです。
結露が続くということは木がずーっと湿っている状態なので、木材の強度という面でもいい状態ではありません。
弊社では壁の中がこういった状態にならないように、全ての物件で結露計算をしています。
結露計算というのは室内側から各部材を通って徐々に気温が外気温に近づくわけですが、それぞれの部分でどういった温度になっているのかを確認するもの。
湿度も一緒に移動しますので、20℃ 50%の空気は17℃ 60%→14℃ 70%→12℃ 80%→10.5℃ 90%→9℃ 100%(結露)となります。
地域の平均外気温で確認することが、計算上決められているのですがもしこの壁の構成で氷点下-5℃になり雪の日で湿度100%の瞬間がくるとどうなるかというと壁の中で結露が起こる可能性がとても高くなります。
(弊社の場合は外断熱の外側付近なので濡れて、凍った状態が続かない限り特に問題はありません)
豊橋の場合、まず雪が少なく氷点下はその月の最低気温の数時間だけ。
この対策をすることはお金を無駄に掛けることになってしまうと思っていますので弊社ではこれ以上のことは行っていません。
湿った状態がずーっと続くのが悪いわけで、しっかりと乾燥する状態を造れば(通気胴縁が有効に働いている状態)、問題になりません。
こうした計算は全ての部材が適切に施工されていることが前提条件になりますので、例えば防湿ビニールなどがいい加減に施工されていれば結露の発生はより高くなるでしょう。
見えてる結露は拭けば大丈夫。
でも見えてない結露が心配。
そうならないためにしっかりした施工が重要になってきます。
みなさまの住まいの参考になれば幸いです。
心配だ!という方がいれば遠慮なくお声かけください。
お力にはなれるかなと思っています。