HOUSE 住まいの情報

自然の風の利用方法。

春の足音が近づいてきましたので、これからの季節は花粉を度外視すれば気持ちのいい風を取り込みたくなるものです。

特に夏場の夜間の涼しい日などでは、その風を取り込むことで気持ちよく過ごすことができます。

そんな「風」はどうしたら家の中に入れることができるのかは考えたことがありますか?

 

「気持ちのいい大きい窓をつけよう」

「あちこちに窓をつけよう」

…基本的にはそれでいいのですが余分な大きさの窓は家の断熱の性能を損ないます。ホテルや見晴らしのいい場所ならいいと思いますが、普段生活する家で必要以上の大きさの窓は生活上、断熱だけでなく防犯的にもデメリットです。

またあちこちに窓をとることも、同じ理由でデメリットへと変身してしまいます。

いかに効率のいい付け方をするのかで室内への風の取り込みはとーーーっても大きく変わります。

 

まず平面計画でその差がでますのでどうしたらいいのかをお伝えします。

これから建築をお考えの方は以下を工夫するととーっても気持ちのいい風が取り込めます。

1. それぞれの部屋に2箇所以上の窓を設ける

2. 一つの面にしか窓を設けれない場合は風を取り込みやすい「タテスベリ窓」を設ける

3. 一つの面にしか窓を設けれない場合引き違いなど正面の風しか受け止められない窓は避ける

4. それぞれの窓はどの方向から吹いた風でも取り込みやすいように配慮する

 

これを意識するだけで随分と風を取り込みやすくなります。特に2については別名「ウインドキャッチ窓」といわれるぐらい風を取り込む効果が絶大です。

 

次は立体的に考えてみます。

京都の町屋に代表される「重力換気」という方法。

暖かい空気は勝手に上に上がっていき、冷たい空気は勝手に下に下がってくるというあたりまえのことを利用した方法。

この方法の最大のメリットは特に風がない日でも勝手にできる上下の温度差で換気が出来るという点です。

また高い位置につけた窓は防犯的に開け放しにしておいても問題になることがすくないため、夏場などは特に有効です。

そのポイントとしては

1. 階段室や吹き抜けを利用して高低差のある窓をつける

2. 上につける窓は夏の日射を避けるため、必ず北側につける

3. 上につける窓は家の中でもなるべく高い位置、または天井付近につける

4. 可能ならば防犯に配慮した開け放しができる小さな窓を1階の床付近につける

 

住まいを考えるうえでこの2点を「ちゃんと考えて」設計してあげると気持ちのいい風が取り込めます。

また地域によって吹く風の方向が違うということを理解してあげたり、その土地の周辺環境を考えて風の通り道を考えたりしてもらうと、その効果はより大きなものになるでしょう。

 

住まいは箱を置くことではありません。

その地域、その土地に合った計画がとても大事です。

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