HOUSE 住まいの情報
断熱材を選ぶ基準
どの住まいにも必ず入っている断熱材。
選ぶ会社によって使っている断熱材は様々です。
どれを選んでも計算で出てくる断熱性能Ua値は、結果の数字のみになりますのでその違いは…?!
結論を先にお伝えすると、断熱材自体に良し悪しはないのであまり偏った見方はしないほうがいいかなと思います。
なぜそれを使ってるのか?が大事になります。
最初は代表的なグラスウールです。
断熱材の中でも一番安価なため、使用されていることが多い断熱材。
基本的には壁の柱間に使用しますので、丁寧な施工が大事。
少し大きめに切って施工することと、押し込んだ後にふわっと戻すのが大事になります。
断熱材はぎゅっとしているとその性能値はでなくなります。
防火的な性能もありますので、外壁との合わせ技で様々な防火性能を発揮するのも魅力です。
また木造の場合、必ず木が痩せてきますが柔らかいため、追従して動きます。地震などで揺れてもまた戻ると思います。
施工は『グラスウールを入れる→防湿フィルムを張る→配線胴縁をつける』という手順のため手間は一番かかります。
デメリットは柱間にいれてく断熱に共通しますが、熱橋(ヒートブリッジ)ができること。
断熱材に比べ木部は5倍ほど断熱性能が悪いため、温熱カメラで見ると柱や下地がはっきり見えてきます。
熱橋が気にならないなら一番安価で使いやすい商品です。どうしても気になる場合は内側のみでなく外側も断熱する方法もあります。
弊社では2年ほど前まで使っていました。
しつこいですがとにかく施工精度と室内側に貼る防湿シートの張り方が大事になります。
次に発泡ウレタン系の断熱。
グラスウールと同じく柱間に施工されます。
構造用面材に向かって吹き付けて、膨らんでくるため施工レベルによる精度差が少ない一番簡単な断熱材。業者まかせでOKです。
グラスウールよりは金額は高くなります。
柱間に吹き付けるので熱橋(ヒートブリッジ)はグラスウールと同じように出来てしまいます。
発泡ウレタンのメリットは施工に一切の気を遣うことなく簡単に気密が0.5以下ぐらいになること。
弊社では4年前ぐらいまで使っていました。
デメリットは再利用が不可能なこと、木部にくっついてしまうことにより将来の解体コストは覚悟が必要です。(マンションなどコンクリート造には向いていると思います)
地震などで揺らされた際には木部と縁切れがおこるので隙間ができてしまう可能性があります(断熱欠損)
環境のこと、先々のことを考えると、いい点が見当たらず使用するのをやめました。
最後にボード系の断熱材。
柔らかいグラスウール、自由に形を変える発泡断熱と違い固い断熱材。
金額は一番高いものになりますが、断熱性能値が高いため薄くても上記2つの断熱と同じような性能を発揮します。
柱間に入れた場合は、グラスウールと違い木が痩せた際には間違いなく隙間ができます(断熱欠損)
熱橋があまり好きではないため、弊社は構造用面材の外側に断熱を施工する外断熱を採用しています。
家をすっぽりと断熱で覆いますので、上記2つと同じような性能でも熱橋がない分暖かさを感じます。
弊社が使っているネオマフォームは、とても高価なものになりますが施工が2日もあればできてしまうこと、防火的なメリットもあり今標準で使っている断熱材になります。
その他に自然素材系の調湿効果のある断熱材もございます。上記に比べ断熱の性能値は少し悪くなります。
調湿効果のある断熱を使う際の注意点ですが、絶対にビニールクロスを使わないようにしましょう。
せっかく高価な調湿断熱なのに意味がなくなってしまいます。(たまに見かけます…(汗))
何を大切にするのか?目的に合わせて使うことが重要になります。
偏った見方はしないほうがいいですが、なぜそれを使うのか?、検討中の会社にしっかり聞いてみるといい勉強になるかなと思います。
高い買い物になりますので、いい住まいにするためにも、勉強は大事です!