HOUSE 住まいの情報
断熱性能による表面温度差。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室、一級建築士の代表鈴木です。
最低気温が10℃を下回ってしまいました。
断熱性能(気密も)によってどのぐらい表面温度が違うのか、断熱リノベをするとどれほど快適になるのかをお伝えいたします。
私の家は自宅をリノベしたUa値0.26の建物。その横に2006年頃(平成16年頃)に建った廊下でつないだ離れ Ua値0.90があります。
洗濯が旧建物で行っているので床の冷たさに驚きます。
そしてリノベした自宅に戻ると床暖房なのか?と思うほどに暖かさを感じます。
気になると測定して報告したくなるのでどのぐらい違うのかお伝えします。
また最後に少し衝撃的な内容を書きますので飛ばし読みなら最後を見てください。
11月8日 今朝の外気温は私の家の温度計で11.9℃でした。
寝ている間はまだ半袖、短パンで薄い夏用布団1枚ですが快適です。
靴下はあまり履きたくないので素足での感想になります。
自宅の床は表面温度が18.6℃。
じっとしているとすこしづつ冷たさを感じますが、まだまだ素足で大丈夫。
リノベ物件は床下の構成が大引間スタイロ90㎜(一般的な床断熱のやり方と同じ)+合板上に全面敷で20㎜のスタイロを敷き熱橋をなくしています。
合計110㎜の断熱材+合板2枚分+床材の断熱構成です。
離れの方の床温度は12.5℃。素足だと寒いのでスリッパが必要です。
申し訳程度の床断熱が施工されていますが、外気が11.9℃ということで断熱材の効果が0.6℃ほどしかきいていません。
ほぼ外気温と思って間違いないでしょう。平成16年の建物でもこんなものです。
せっかくなので窓廻りも計ってみました。
リノベのトリプル樹脂サッシの表面温度は18.9℃。
床の温度とほとんど変わりません。今日は曇っていますが、日中陽が差し込むとそれだけで部屋の中が暖まり、まだまだ暖房無しで過ごせます。
離れの方の窓の温度は10.2℃。
んっ…外気温より低い。もしかしたら温度計がいまいちで10℃を下回っていたかもしれません。
離れの方はペアガラスのアルミサッシ。床と同じくほぼ外気温。
暖房をしても暖かいはずがありません。
寒い家の場合、どれほど暖房をしようが床面や窓廻りは外気温に近づきます。
暖めれば暖めるほど室温と床、窓表面温度の差が広がります。
水分を発生する灯油を使った暖房器具を使うと、窓廻りにびっしり結露が出るはずです。
窓廻りは目に見えるから結露の水を拭けますが、床や壁の中は結露していても気づきません。
気づかないとどうなるかというと、木材の含水率が上がり、床が腐りぶかぶかしたり、カビが発生します。
こうした温度差を可視化してみると、その違いに驚かされます。いかに断熱が大事なのか、また気密が大事なのか。
結露で木が腐っていくわけですがそうなると耐震性能にもおおきな影響を与えます。
耐震などで使う金物は鉄で出来ていますのでほぼ外気温でしょう。室内の温湿度の影響を受け、夏のコップの結露のようにびっしり木材を濡らすことでしょう。
中途半端なリフォームをすると、中途半端に気密がよくなりより住まいをダメにします。
こうした発信をつづけることで、皆さんの断熱気密に対する大切さが伝わり、よりよい住まいが増えるといいなと考えます。
この住まいの情報が皆様の有益な知識に変わっていることを切に願います。
最後に、Ua値が高いはずなのに寒い方へ。
もし今日の気温(最低外気温10℃)程度で暖房を入れないと寒いとするならば、計算上のUa値のみで施工が伴っていない可能性があります。
一度、建築された工務店さんに相談された方がいいでしょう。
サーモカメラがあると断熱施工の良し悪しは可視化できますので、『なんとかしてよ、鈴木さん』って方はお声かけください。