HOUSE 住まいの情報
建築会社から身を守る。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
ニュースなどでよく耳にする建築会社の倒産。
無防備で建築をお願いすると、大きな被害にあう可能性もありますのでしっかりした情報収集が大事になります。
『大きな会社だから大丈夫。』『創業〇年経つ老舗だから大丈夫。』などというのはあまり気にしない方がいいと思います。
工務店業界は6割から7割が赤字経営。
赤字経営は定期的な仕事があれば、利息を含めた借入金を返済できますが、仕事が止まるとそれが不可能になります。各業者から請求が来ると支払いが滞り…。
私が知っている建築会社の見極め方。
あくまで私自身が肌で感じていることなので、全ての会社に当てはまらないかもしれませんがご自身の身を守るためと思ってお伝えします。
① ブログとイベントの内容
仕事が順調に進んでいる会社はホームページの更新が頻繁に行われます。特にブログとイベントは頻繁に更新されているはずでしょう。
問題はその内容です。
ブログの内容が建築とあまり関係がない…、更新することが仕事になっていて現場が動いていない、など状況が変わらないと発信のしようがないため、建築に関係ないネタが更新されます。
(建築的学びのない)旅行に行ってきた、おいしいものを食べた、などはネタがないもしくは建築知識が貧しい証拠です。
またイベントの内容についてですが、一般的な住宅会社であれば完成内覧会がメインになります。ただ会社規模によって完成物件が毎月あるわけではないため、それ以外の月は相談会のようなイベントになることもあるでしょう。
イベント内容が問題で的を得ていない相談会、例えば『ローンなどお金の相談、水廻りリフォームの相談、何でも聞いてみよう相談』など。建築的に突っ込んだ話が出来ない会社に多く見受けられます。
こうした会社はお施主さまのいわれた通りに建てることを良しとした会社でプロ意識が低いでしょう。
そのため設計の方も、現場監督の方もよくわからず建築をしています。職人任せのほったらかし管理です。いい住まいにはならないでしょう。
この地域でもそうした会社をいくつも知っています。
② イベント案内時に金券的なものがもらえる会社
この4月に建築基準法が大きく変わり、2025年3月には駆け込みによる需要が増えそれらの住宅が完成を迎えようとしています。
駆け込みがあった翌年は必ず着工数が減りますが今年はより厳しい状況になるといわれています。
そのためイベントをやっても集客出来ていない会社がとても多くなっています。
そうした住宅会社は何で集客するのか?
展示場の子供向けイベントのようなことを必ずやります。写真撮影、キッチンカー、似顔絵など建築と全然関係ないこと。
それでも集まらないと、金券を配ります。最初は1000円ぐらいだったのが、効果がないとどんどん増え10,000円も珍しくありません。
なぜそんなことをするのかというと1組を集客するための単価が10万円近くになっているからです。3万円配って集客できるのなら、安いと感じているようです。
(弊社は来場いただいても記念品のタオルぐらいしかあげません汗。)
必死な集客はおおむね財務状況が悪化に向かっていると考えて正しいはずです。
私の廻りの信頼できる工務店さんは、全ての方がこのような集客方法は行っていません。
③ 100万円を超える値引き商法
弊社の値引きは端数調整の千円単位のみで、値引きは出来ません。なぜなら1つ1つの部材を正しくひろい見積しているからです。
まじめにやる会社なら値引きは出来ません。
100万円を超える値引きが出来るというのはおおよそ、いい加減な見積をしているかそもそも提案前にその100万円を見積に上乗せしています。
赤字で仕事をしたら、今日のご飯も食べられなくなります。
それは家族に迷惑をかけるし、これまで信頼して建ててくれたお施主さまにも迷惑のかかることになります。
会社を存続させるには適正な利益が必要です。
以上は私が『とても怪しい』と思っている会社の例です。
しつこいようですが、これはあくまで私の考えであり、全ての会社に当てはまるわけではありません。
ただし、知識として入れておくことは大事でしょう。
以前のブログで工務店の財務状況のことを書いていますのでこちらもぜひ参考にしてください。ブログはこちらから
最後に、一番確実に見分ける方法は作業している職人さんや出入りしている業者さんをつかまえて直接『この会社どうですか?』と聞くことです。
またしっかりした会社なら職人さんや業者の方がその建築会社で家を建てます。
どのぐらいの方が建てているか聞いてみるといい指標となるでしょう。
いまいちな会社は社員が別の会社で家を建てているなんてことは当たり前のようにあるのが建築業界です。
皆さんのご参考になれば幸いです。