HOUSE 住まいの情報

庇の長さを検討しよう!

一級建築士でニコハウス設計室代表の鈴木です。

ずいぶん涼しくなってきましたが、まだまだ日中30℃を超す日があります。

この時期の日差しは冬至に向かって太陽高度(太陽の高さ)が低くなってきますので、対策をしておかないと日中部屋の中がかなりの温度になってしまいます。

点検などでよく質問される『日射遮蔽』について、庇の長さと合わせてお伝えいたします。

 

以下は全て『豊橋市 真南 12時ころ 窓上から50cmに軒』の話なので、真南から角度が振れるともう少し室内側に日差しが入るという想定が必要です。

まずは夏をみてみましょう。

夏至の話をされがちですが、実際はお盆頃の方が暑いので8月15日を目安としています。

お盆頃の日射熱を室内に入れないようにするには90cmは庇をださないと家の中に入ってきます。当然12時ころの話なのでその前後ではもっと長い庇かタープが必要です。

当たり前ですが南の庇が90cmより短い場合は日射熱が室内に入り込みますので、冷房エアコンとの格闘がはじまります。

カーテンを閉めても、部屋と窓の間が暖まり、部屋内に侵入しますので、なるべく外で防ぐことが大事。

 

続いて真冬ですが今度は太陽の角度が30℃程度と低いので室内の奥まで日射が届きます。

夏の場合と違って、日射が入るのは室内が暖められ有利に働きますが、真南の時よりも東西に振れた方がより奥まで日射が届きます。

180cm庇があっても入ってきますが、申し訳程度の日射になってしまうので、冬のことを考えると南側の庇は120cm程度までぐらいにした方がよさそうです。

 

最後にこの時期、春、秋分。

この時期の難しい点は、春は3月~4月で部屋に暖かい日差しがほしい…、けど最近の9月の日差しは暑くていらない…、という点です。

落葉樹で対策するということもおそらく過去のブログで書いている気がしますが、実際のところはそれなりの大きさの木で、葉が生い茂っていないと防ぐのはなかなか難しい。

一番簡単に防げそうなのは、やはりタープです。

春先は外して、秋はタープで対策が一番効果的です。

 

こういった検討を重ねながら、みなさんの家の『庇の長さ』を決めています。

弊社で多いのは90cm~120cmほどの庇。

あとは状況に応じて、付属部材を提案するということをしています。

断熱や気密も大事ですが、日射の影響も室内環境には大きな影響を与えます。

特に…、最近は軒のない家を街中で多く見かけます。確かにスタイリッシュでかっこいいでしょう。

ただ庇がついていないので、夏から秋にかけての日射がふんだんに室内に入り込みます。

理解したうえで提案をうけ、納得した状態で日射熱が入ってしまっているならしょうがないと思います。

ただかっこいいからと軒のない家にすると、夏場はとてもいられない住まいの出来上がりです。

また軒のない家は雨対策もめちゃくちゃ重要。

ものすごーーーく検討して、軒の長さを決めましょう。

 

軒無しだけど、大丈夫かな?と思ったそこのあなた。

しっかり確認しておきましょう。

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