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豊橋市の工務店。一級建築士でニコハウス設計室代表の鈴木です。
田原市でリノベ施工中のKさま邸。
基礎工事に着手いたしました。
今回の工事は性能向上リノベーション。
見た目のリフォームでなく、構造や断熱気密などすべてを現代の性能にやり変える工事です。
基礎工事は既存の無筋コンクリートの基礎の内側に新たに鉄筋コンクリートの基礎を作ります。
そもそも基礎の役割とは何なのか?
建物の荷重を支える目的は一番イメージしやすいと思います。
屋根、梁、柱などを含めた荷重を地面に伝える役割が基礎。
上からの荷重だけを考えるなら、無筋のコンクリートでも全く問題がありません。なぜならコンクリートは圧縮の力に強いからです。
わかりやすくお伝えすると、発泡スチロールの上に人がのってもつぶれたりはしないと思います。
それがコンクリートの役割。
でも上からの荷重だけでなく、今後くるであろう地震にたいしては圧縮の力だけでなく、場合によっては引っ張り上げられる力が働きます。
それに対して無筋のコンクリートだけでは不安。発泡スチロールも折ろうとすると簡単に折れます。
そうならないために必要なのが鉄筋。引っ張りに強いのが特徴。
だから圧縮のコンクリートと引っ張りの鉄筋。合わせた鉄筋コンクリートはお互いの弱点を補いあうからこそ強いのです。
今回の工事では出来るだけ弱い耐力壁をバランスよく配置して、建物を地震から守ります。
耐力壁をつけると土台部分には圧縮の力と引っ張りの力が発生します。
強い耐力壁にすればするほど、足元の圧縮と引っ張りの力も大きくなります。
だから土台や基礎がそのままの場合は、あまり強い壁を造らないほうが安心。
それでも既存の土台と基礎を結んでいるサビサビのアンカーボルトではとても不安なので、今回は救世主のガードアンカージベルを採用しています。
土台の浮き上がりを防止するのがごついガードアンカージベルの役割。
ただこれをつけただけでは、先ほどのお話しの続きで引っ張りに弱い無筋コンクリートは壊れてしまいます。
そのためにガードアンカージベルをつけた内側に引っ張りにも強い鉄筋コンクリートのべた基礎を作成いたします。
ここまでやるとようやく現代の性能に近い耐震性のある基礎となります。
予算によってもやり方は様々なのでこのやり方が絶対ではありませんが、次世代に残すリノベーションとして今回は採用いたしました。
新築以上に奥が深いリノベーション。
基礎の補強をどうしよう?と感じたらぜひご相談ください。
丁寧にお答えさせていただきます♪
Kさま、基礎工事順調に進んでいますのでご安心ください。
引き続きよろしくお願いいたします。