北欧の旅 その②。

up - スタッフブログ

豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。

次の見学場所もファンの多い『コエ・タロ』実験住宅や夏の家とも呼ばれているアアルトが夏に過ごす別荘です。

山の中に建築されていますが、自然の中に埋もれ、朽ちたイメージをもって建築されたそうです。

アアルト自身は湖から船にてこの別荘へきていたらしいのですが、私のような凡人は山道を歩きながら、道端のブルーべリーを食べながら(おいしくない)コエタロへ向かいます。

足場はかなりわるいので油断すると転倒しそうです。

前回のブログの村役場同様、外部から身を守りつつ自然に開く中庭があります。

山や湖の近くという立地なので、日本で建築する場合は全力で自然に開くと思いますが、ほんのり川の先が見えているのが大自然の中ではちょうどよい感じがしました。

この敷地にはこれもまた有名なスモークサウナの小屋があります。

今でも使われていて、室内はいぶされていて真っ黒。

そのため外部の光がとても美しい対比を生み出します。

この小屋も、コエタロの基礎部分も丸太をそのまま使っていますが、日本でやったら数年でシロアリにやられてしまうでしょう。

植物や昆虫などの植生の違いにびっくりしました。

コエタロが実験住宅と呼ばれるのは、アアルト自身もいろいろと試してみたかったから。

外壁レンガの積み方は様々なデザインを試し、その耐久性を検討していたり、屋根は外周部だけスレート瓦?で葺き、あとはアスファルト防水処理してあるだけだったり。

大屋根から吊り下げたロフト。フィンランドは地震がほとんどないため出来る作戦かなと思います。

ムーラメ教会。アアルト初期の建築になります。

これまで見てきた建物と違い、全面改修されていますので色気としてはいまいちな感覚を持ちました。

個人的には適度に朽ちている方が自然と共存していて、建築的な魅力を感じます。(外敵から守るために建築は必要ですが、現時点で個人的に自然に勝る美しさのある建築はないと思っています)

それでも随所にアアルトらしい細やかなディテールが見られ、勉強になりました。

初日の最後はアアルトミュージアムへ。さすがに4件目ともなると疲れています(汗)

ミュージアムなのでお土産もしっかり買い込みました。

入口の取っ手は今後あちこちで登場する有名なアアルトデザインの取っ手。

当時一時的に製品化され、一般販売もされていたそうです。一時的なため今は流通もなく盗品なども存在するとのこと。

たかがドアノブですが、されどドアノブ。魅力的なディテールの取っ手は触りごこち抜群です。

 

アルヴァ・アアルト体感1日目でしたが、すでに3日ぐらいいるような感覚になるぐらいに充実した時間を過ごせました。

まだまだ旅は続きます♪

引き続きお付き合いのほどよろしくお願いいたします。