COLUMN住まいの情報

2025年4月の記事(8件)

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リノベの基礎工事。

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豊橋市の工務店。一級建築士でニコハウス設計室代表の鈴木です。田原市でリノベ施工中のKさま邸。基礎工事に着手いたしました。今回の工事は性能向上リノベーション。見た目のリフォームでなく、構造や断熱気密などすべてを現代の性能にやり変える工事です。基礎工事は既存の無筋コンクリートの基礎の内側に新たに鉄筋コンクリートの基礎を作ります。 そもそも基礎の役割とは何なのか?建物の荷重を支える目的は一番イメージしやすいと思います。屋根、梁、柱などを含めた荷重を地面に伝える役割が基礎。上からの荷重だけを考えるなら、無筋のコンクリートでも全く問題がありません。なぜならコンクリートは圧縮の力に強いからです。わかりやすくお伝えすると、発泡スチロールの上に人がのってもつぶれたりはしないと思います。それがコンクリートの役割。でも上からの荷重だけでなく、今後くるであろう地震にたいしては圧縮の力だけでなく、場合によっては引っ張り上げられる力が働きます。それに対して無筋のコンクリートだけでは不安。発泡スチロールも折ろうとすると簡単に折れます。そうならないために必要なのが鉄筋。引っ張りに強いのが特徴。だから圧縮のコンクリートと引っ張りの鉄筋。合わせた鉄筋コンクリートはお互いの弱点を補いあうからこそ強いのです。 今回の工事では出来るだけ弱い耐力壁をバランスよく配置して、建物を地震から守ります。耐力壁をつけると土台部分には圧縮の力と引っ張りの力が発生します。強い耐力壁にすればするほど、足元の圧縮と引っ張りの力も大きくなります。だから土台や基礎がそのままの場合は、あまり強い壁を造らないほうが安心。それでも既存の土台と基礎を結んでいるサビサビのアンカーボルトではとても不安なので、今回は救世主のガードアンカージベルを採用しています。土台の浮き上がりを防止するのがごついガードアンカージベルの役割。ただこれをつけただけでは、先ほどのお話しの続きで引っ張りに弱い無筋コンクリートは壊れてしまいます。そのためにガードアンカージベルをつけた内側に引っ張りにも強い鉄筋コンクリートのべた基礎を作成いたします。ここまでやるとようやく現代の性能に近い耐震性のある基礎となります。 予算によってもやり方は様々なのでこのやり方が絶対ではありませんが、次世代に残すリノベーションとして今回は採用いたしました。新築以上に奥が深いリノベーション。基礎の補強をどうしよう?と感じたらぜひご相談ください。丁寧にお答えさせていただきます♪ Kさま、基礎工事順調に進んでいますのでご安心ください。引き続きよろしくお願いいたします。

仕上げ工事に向けて。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。豊橋市で新築施工中のIさま邸。仕上げ工事に向けてお施主さまのDIYオイル塗装が進んでいます。建物は間口が7.28m 奥行が6.37m、とてもコンパクトな建物にお風呂だけぽこっと飛び出した平面計画。当初提案した大きさの中にお風呂も入れたいと思ていましたが、お施主さまのこれまでの実体験でお風呂は気持ちよく大きくしたいとのことでいつもは使わない大きさのお風呂を使っています。気持ちのいいはきだし窓のあるお風呂でデッキとつながっているので、外気浴ができます♪計画はいつも通り、四方八方の窓からの抜け感を利用し、利用できる借景は使わせていただく作戦。玄関入ると正面に梅の木の借景が見えてきます。奥が明るいと魅力を感じその方向に視線が向きます。手前が暗いことで奥の明るさが活きる。日本には陰影礼讃と呼ばれる影の魅力があります。谷崎潤一郎さんの著書が有名です。ただただ明るい家を作ってしまうと事務所や教室のように変化のない明るい家になります。気持ちが上向いている時だけでなく、沈んでいるときもあるでしょう。そんな浮き沈みのある私たちを受け止めてくれるのが住まいになります。明と暗を大切に考えて住まいを計画するのが弊社の考え方です。外観はかわいらしい横貼りのスギ板。下見板貼りという方法です。外構の打ち合わせをさせていただき、これで打ち合わせは全て終了。宿題は造作ソファーの布地を何色にするか?です。Iさま、ご検討よろしくお願いいたします。家は素朴な自然素材なので何を選んでも違和感なく溶け込むでしょう。

住まい手らしさ。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。豊橋市で2年前にお引渡しさせていただいたFさま邸。建物の一部20坪ほどを、リノベーションにて断熱改修工事させていただいた現場の2年点検に伺いました。建築当時から2年経つと、住まい手の色によって建物がよりよくなっています。インスタなどでは、クロスを何にするか?アクセントに〇〇使ってみました、などありますが、弊社はベースとなる建物はなるべく飾りつけをせず素朴に仕上げます。自然素材を使っているのはそういった理由もあります。ベースとなる建物の素材が色濃く出ていると、そこに置く家具や椅子なども選択肢の幅が狭まります。そうなると、そのしつらえに飽きたときにはまたリフォームとなり無駄にお金がかかってしまいます。なるべく素材だけが活きるようお伝えし,施工させていただいてます。点検をさせていただきましたが特に悪い部分はなく、2年間快適に過ごしていただき弊社としても大変うれしく思います。以前から懸念されていた屋根からの雨漏りですが、台風などの一時的な暴風雨の時だけしか見られませんので、引き続き様子見となりました。雨漏りはその内容の見極めが大切です。常日頃から雨漏りしている場合は、構造部材が濡れによって腐敗し、構造耐力を満たさなくなりますので早急な対応が必要です。一時的な雨漏りは濡れたとしてもまた乾き、構造的な影響はほぼないため早急な対策は必要がありません。 雨漏りは簡単には直せません。中途半端に手をだすと、別の場所から発生したり応急的な処置になりがちです。どうせやるなら徹底的に。ということで引き続き状況確認をよろしくお願いいたします。Fさまは革製品の手作り制作をされていて、(私もバックは2つ購入いたしました)手作りの革バックは私がつくる自然素材の長く愛せる住まいとコンセプトは同じ。いいものを長く愛用する。 Fさま点検でのお伺いありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

のどかな基礎工事。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。田原市で基礎施工がはじまったIさま邸。今回も基礎断熱の工法で施工させていただきます。先月内覧会のあった岡崎と同じように、見える景色がのどかな現場。機械が動いていなければ鳥の鳴き声ぐらいしか聞こえません。弊社の基礎断熱は土間下にスタイロフォームを全面に敷きます。地中梁部分の断熱はありません。なぜこの部分は断熱しないのか?というと、加工にものすごく手間がかかるからです。手間をかける=費用をかけることになりますが、そこまでを求めていないのが弊社のやり方。また一般的に地中部分の断熱は防蟻処理された断熱を利用するケースも多いのですが、ものすごく高価なので弊社では薬剤による防蟻処理をした後にスタイロ(断熱材)を敷くようにしています。薬剤の防蟻処理の高価は5年なのでもしかしてその先に食害されることもあるかもしれませんが、全ての断熱材を食い尽くされることはないだろうとの考えです。そもそも断熱材に栄養はないのでその心配はないでしょう。基礎の立ち上がりはコンクリート打ち込み前に設置して、コンクリートと密着させます。基礎断熱材を打ち込み後に設置すると、完全な密着をせず隙間での結露の恐れがあるからです。少しでも結露リスクを減らすため、弊社ではこのような施工方法を取っています。それにしてものどかです。この現場は月末に上棟を予定しています。安全第一で進めてまいります。

庭の大切さ。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室 二級建築士で設計アシスタントの鈴田です。 新しい家に住み始めてから1週間が経ちました。まずは自分でやってみる!精神で引っ越し業者を頼んでいないのでまだまだやることがたくさんです。そんな忙しい中でも朝起きて寝室からリビングに行くと庭の景色が広がり、とても癒されます。子供たちも目が覚めない中、ぼーーっとみる庭の景色がお気に入りのようです。鳥が遊びに来たよ!あっこのお花かわいいね!と毎朝外に出て小さなじょうろで木々に水をあげてくれます。 ジューンベリーの花が咲き終わると今日はつつじの花が咲いていました。つぼみの花をみるとどんな花が咲くのかなとわくわくしています。家の中から植栽のゆらぎを見ていると気持ちがとても穏やかな気持ちになります。毎日変化があり、楽しみができて庭をつくって本当に良かったと思います。 現場監督をさせていただいている、豊橋市で施工中のI様邸。大工さんの造作工事も終わりが近づいてきました。 I様邸の植栽工事は6月を予定しています。植栽が入ると家はここからさらによくなります。建物だけで終わりではなく、庭とつながることで居心地の良さ生まれ、愉しめる住まいになります。いよいよ今週末からIさまによる木部塗装のDIYが始まります。しっかり準備運動さされたと思いますので、気合を入れて施工をお願いします。自然塗料は自然発火のおそれのある材料になりますので、お伝えしたり使った道具はしっかり水で濡らして処分をしてください。よろしくお願いいたします。

四季を望む住まいのお引渡し。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。岡崎市で先月内覧会を開催させていただいたKさま邸。先日、お引渡しをさせていただきました。内覧会では来られた皆さんが、住まいから見える景色を絶賛されました。景色があるということを、どれだけ意識してプランをするかによって出来上がりの印象は絶対に違ってきます。出来上がったものを見ていただいて、景色に違和感を感じず、魅力として見ていただけたのが私はとてもうれしかったです。お引渡しの時には皆さん小さなメモ帳を出し、熱心に聞いてもらえます。私が特に注意して説明するのは、機器類などの使い方よりも住まい方。少ないエネルギーで快適に過ごしていただくことを目的としていますので、住み方はエネルギーの使い方に大きく影響します。今回は少し上級者向けのキッチンの換気扇の使い方を説明させていただきました。弊社のような高気密住宅の場合、キッチンの換気扇をつけると家の中が大きく負圧になり、玄関ドアは子供では開けられないぐらいになってしまいます。その対策として、差圧レジスターといって室内が負圧になった時だけ給気をするダンパーをつけています。ただ、『無断熱の穴』になってしまいますので本当はその差圧レジスターはないほうがいい。そうなるとどうするかというと、答えは簡単で窓を開けてもらいます。今回のキッチンにはIHコンロのすぐそばに開閉できる窓を設置いたしました。キッチンの換気扇は、空気をショートサーキットさせたほうが室内の熱ロスが少なくなります。(ショートサーキットとは:空気の通り道をできるだけ短くすること。通り道が遠いと外気が流入し排出されるまでの部分で冬なら冷たさを感じます)ということで、上級者の方には換気扇の強さに合わせて、窓をあけてもらう。少し面倒ですが、窓は断熱性がいいので『無断熱の穴』よりは熱ロスが圧倒的に少なくなります。説明している間、庭から大きな鳥の鳴き声が聞こえ、見てみるとキジがいました。あきらかに住んでいる様子で、庭でキジが見れる自然があるのはものすごい贅沢に感じました。お引渡しから約10日が経ちましたが、メンテナンスLINEでは楽しく住んでいただけているのが伝わってきます。Kさま、ご新築おめでとうございます。また雑誌取材をこころよくお受けいただいたことも感謝いたします。お土産までいただき、感無量です。お引渡し後の方がながーいお付き合いになります。絶景のお庭での焚火は絶対にいい時間になると思いますので、そのご報告も楽しみにしています♪

性能向上リノベ開始。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。田原市で工事が始まったKさま邸。築55年の住まいの性能向上リノベーションになります。契約前にいろいろお話しをさせていただいて、予算のことがありましたのでどこまでやるのか?すごく迷われていました。リノベーションをお考えの方に私が必ず聞く質問『①いつまで使うつもりですか?』『②将来この住まいをどうするおつもりですか?』この質問で考え方は大きく変わっていただけたように思いました。 いつまで使うつもりですか?の質問には必ず来るであろう大地震に対し、無策でいるのか?命だけを守るのか?引き続き住むのか?それによって工事の仕方が大きく変わります。無策でいるならせいぜい10年住むぐらいにしておく方がいいでしょう。ただしその場合、地震があった際には避難所生活を余儀なくされ、地震規模によっては複数年の間その生活となります。私は命を守るだけでなく、ストレスなく引き続き住めることを前提にお話しをさせていただきました。将来この住まいをどうするおつもりですか?の質問には、子供世代、孫世代に引き継ぐつもりがあるのか?それとも自分の代で壊すのか?次世代に引き継ぐということは、次世代がメンテナンスで困らないよう、また時代に流されない普遍的なデザインで造るべきです。そのために、メンテナンスがご自身で可能な自然素材を使った、廃盤のない飽きの来ない日本的デザインをご提案いたしました。最後に、リノベーションをするというのは過去の想い出を守り、次世代の暮らしをより良いものにすると考えています。既存の思い出のある扉などは再利用し、出来るだけ昔の面影も残す。悪い部分は取り換え、更新をする。55年の歴史には、思いがけないシロアリ被害や雨漏り被害などで部分的に傷んでいる部分が必ずあります。こうした部分は隠さずお伝えし、全力で現代の高性能住宅へと生まれ変わらせます。上部構造評点は0.13から1.59の耐震等級3程度へ、偏心率は0.07以下へ。断熱性能Ua値は3.35から0.37のHEAT20 G2グレードより上の断熱へ。気密性能はいつも通りのC値0.3以下へ。弊社の新築同等の性能を造ります。リノベーションにご興味のある方、費用など気になる方、性能向上リノベの相談会を4月19日(土)、20日(日)に開催しますので是非ご利用ください。ご予約はこちらから。気になる費用も図面などがあればざっくりのお伝えは出来ると思います。リノベにするか、新築にするか悩まれている方、特に2階建ての場合は構造がしっかりしているのかがポイントになります。間取りがあるとその判断ができますので、相談会の際にはぜひお持ちください。ダメな構造なら隠すことなく、リノベ向きでない間取りの方には新築をお勧めします(笑)

造作工事が終盤です。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室 二級建築士で設計アシスタントの鈴田です。 豊橋市で施工中にI様邸。先日足場が外れ、外観がお披露目となりました。足場がなくなると掃除ができなくなってしまう吹抜の窓、小庇の拭き掃除、木外壁の打ち損じがないかのチェックを事前に行いました。小さな三角屋根のおうち。道路から見た時に低く抑えられた佇まいから2階建てなのか、中はどうなっているのかいろいろと気になってしまいそうです。 中では造作工事が順調に進んでいます。造作工事が進んでいくと電気屋さん、水道屋さんなども入り、仕上げに向けて進んでいくので現場は少し賑やかです。 I様邸では造作ソファとその横に本棚があります。既製品とは違い、1枚の板から本棚、ソファすべて作り上げていきます。図面にしっかり寸法を書き出すことも大事ですが、大工さんと設計者のイメージに相違がないか、現場での大工さんとの打ち合わせが欠かせません。2階吹抜けのカウンターも完成しました。足場が外れたのでお隣さんの借景が見えとっても贅沢な空間になっていました。この景色を見ながら本を読んだり、お子さんがお絵描きしたり…楽しみですね!この住まいは7月頃の完成を目指して工事が進んでいます。完成内覧会も行わせていただきますので、子育て世代の方、借景の使い方に興味のある方ぜひお越しください。Iさま、もうすぐ屋内の塗装工事です。準備運動をしっかりお願いいたします!!