COLUMN住まいの情報

2018年7月の記事(1件)

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最近の夏の暑さについて。

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連日暑い日が続き、TVでは熱中症の問題など、地球温暖化の影響は他人事ではなくなってきてます。小学生の子供が「今日は34℃だったよ」など勉強どころでない環境を耳にします。エアコンの設置を!とメディアも言ってますがそれには莫大なお金が必要ですし、その前に根本を解決するべきだろうと個人的に思っています。 これは断熱性の低い家に住む方にも、そもそも断熱されてない学校にも共通することなのですが、まず最初に日射を防ぐ。これがものすごく大事です。室内のカーテンでなく、窓の外や屋根面で防ぐ。例えば「よしず」など。これをすると室内の環境はぜんぜん変わりますので、家が暑いよーって方は高くて性能のいいエアコンを買う前にぜひお試しください。イメージ的には木陰で休む感じ。見た目を気にするならオーニングやタープなどもおすすめです。 窓の対策をする理由ですが夏の日射は南面で平均318W/㎡、最大694W/㎡の熱が入ってきています。なんかよくわからない数字ですが、畳一枚分の窓から平均500Wの熱が室内に入り込んでるわけですので電気ストーブやこたつをつけっぱなしながらエアコンで冷やしてるのと一緒です。すごく無駄なことをしていますね。直射日光おそるべし。 ちなみに省エネ先進国のドイツでは暑くなる前にすべての窓の雨戸を閉めるそうです。これも外で日射を防いでいるのでよしずをかける効果と一緒ですね。 なので学校の暑さ対策としてもまず、夏の高い高度の太陽対策に、屋上全面へ日射が当たらないようよしずや寒冷紗をかけるといいのになーと思います。それと窓ですね。ちょっと危険かもしれませんが、業者さんに各窓のすぐ外にタープなどを掛けるものをつけてもらえれば、電気ストーブの熱レベルで教室を暖めることなく、もう少し快適に過ごせるように思います。 ここまでの内容は電気のエネルギーを一切つかわないので、子供や住む家族にもやさしいですし、なにより地球環境にも何も悪いことをしていません。こういう話をくどくどすると、妻がようやく雨戸を閉める気になってくれます(笑) その上でエアコンでなく直接体に冷気を感じられる卓上の扇風機など。風速1mで1℃涼しくなるといわれてますので、卓上の小さな扇風機でも十分です。何より電気消費量が少ない!私が仕事中につけてるYAMAZENさんの卓上扇風機は19Wです。4人家族が専用の扇風機を持っても100Wも使いません。30人のクラスの全員が使っても600W。ちなみに20畳クラスのエアコンをつければメーカーカタログをみると1700Wとか。もし教室ならそれ3台とかですかね。お金もたくさんかかって、なおかつ窓から入る電気ストーブクラスの熱とエアコンがバチバチと戦うのはなにか無駄な気がします。 まずは環境を整え、その上で断熱材を足すのか、改修するのか、それをした上で最後にその空間に合わせたエアコンを設計してあげると、無駄に大きなエアコンをつける必要もなくなります。 最近の報道が根本を解決せず、目先の環境の良さを取ろうとしているのでちょっとブログに書いてみました。ニコハウス設計室ではちゃんとした断熱をし、適切なエアコンのご提案をしています。快適な室温を保つのに必要なエアコンはおおむね6畳用が2台程度です。 ちなみにそれなりに断熱してある家では塗料などで「遮熱」をする効果はほとんどありませんので、塗り替えなどですすめられていたら、よく知っている方に声をかけ、無駄なお金を使わないようにしましょう。