COLUMN住まいの情報
2025年6月の記事(8件)
記事一覧へ来月の完成に向けて。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。来月完成内覧会を控えているIさま邸。完成時の気密測定を行わせていただきました。いつもの説明ですが、弊社は施工中の気密測定はせず、完成時のみ行っています。施工中の気密測定はもちろん正しいのですが、完成する際には内外を貫通する配管(エアコンや電気や太陽光配線など)が多く設置されます。施工中の気密測定ではその穴をテープでふさいで測定します。完成時においてはその穴がより不利に働くため実際に住む状態の方がいいだろうと考え完成時に行っています。いつも通りでC値は0.15で隙間総統面積は15c㎡なので家全体での隙間は3cm×5cm程度でした。今回も超高気密住宅が完成いたしました。そして毎回必ず測定していただくようになった開放C値(弊社が勝手にそう呼んでいます)。住んでいる状態にするべく、全ての換気扇の目張りテープをはがして測定してみます。開放C値は0.55で隙間総統面積は53c㎡した。家全体の隙間と換気扇の穴を合わせると6cm×9cm程度ということがわかりました。15cmの丸穴や10cmの丸穴が開いているので数字が合わないのですがまあいいでしょう。n値という数字がこちらの方が小さいのがなぜなのか?ちょっと気になりますが住んでいる状態で換気扇を一切まわさない状態がC値0.55なら安心です。 無事超高気密住宅が完成いたしました。植栽工事が終われば、内覧会に向けての工事は全て終了になります。内覧会は7月19日(土)、20日(日)を予定しています。内覧会のご予約はこちらから。最近は平屋の見学会が続いていましたが久しぶりの2階建て。そして子育て世代の住まいになります。いつも満員御礼になってしまうので、見てみたいという方はぜひ早めにご予約ください。ご来場いただいても、こちらから営業をすることはありませんのでご安心ください。みなさまよろしくお願いいたします。

リノベの耐震の考え方。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士 の鈴木です。田原市でフルリノベーション施工中のKさま邸。構造金物取付が進んでいます。弊社の耐震の考え方として、まずはしっかりした耐震性能を建物に付与します。それもただ強くするということではなくて、徹底的にバランスよく強くするということをいたします。バランスというのは専門用語で偏心率(へんしんりつ)といいますが、建物の重心(重さの中心)と剛心(建物の耐力壁など抵抗する力の中心)をなるべく近づけることを意識します。新築時の許容応力度計算ではその数字を0.3以下にすることが求められます。弊社ではさらに厳しくみていて0.1以下を目指しますが、今回の物件は0.08。建物がねじれる可能性が低く安全性の高い建物となります。その上で、耐力要素のない制振ダンパーを設置し、揺れに対する共振対策としています。そして、大量のグラスウールが搬入されました。パッと見て、これだけの断熱材が入ったらしっかり暖かいだろうなと思います。断熱材は気密性がしっかりあることでその能力が発揮されます。また施工時に『ちゃんときれいに施工をする』ことでも断熱の性能は100%になる場合と半分程度になる場合があるので、施工精度もとても大事になります。週末には電気配線の打ち合わせが待っています。Kさま、予習をしっかりお願いいたします。工事は順調です。

セミオーダーのご提案。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。豊橋市で建築計画中のSさま邸。ちょうど暮らしの平屋 セミオーダータイプの第二段となる住まいをご提案させていただきました。ちょうど暮らしの平屋は7月頃に正式にホームページに登場します。それぞれ『ふたりの間』『ゆとりの間』という大きさの違う骨格平面が2つ。そして『つながりの間』という屋根を持ち上げた小屋裏利用のような2階建て計画が出来る、合計3パターン。今回は『つながりの間』にてご提案です。コンパクトなご提案の場合、もっとも大切にしているのは視線の抜けです。細かく間仕切りしていくとどうしても狭く感じてしまいます。構造ルールを守りながら、いかに広がりをもったプランにするかが腕の見せ所です。平面的な視線の抜けだけでなく、立体的な視線の抜けを使うことで実際の坪数には全く感じない広さを体感できます。性能は弊社のいつもの高性能住宅。耐震等級3にゆとりをもたせた計画で、高気密高断熱。今回の敷地は50坪ほどで、分譲地の建て替え計画になります。そのため一般的に敷地に平行で家を建ててしまうと、南の家のサイディングの外壁を毎日見て過ごすことになりつまらない。その場合、私は南の家との最大の距離を取るために敷地に対して建物を振って計画します。そうすることで、今回の敷地ではより真南に建物が向き、日射の計画もより素直になります。建築にとても詳しいSさま。毎回楽しい打ち合わせをありがとうございます。またお気遣いの品もありがとうございます。プランの検討よろしくお願いいたします!

平屋半分リノベ。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。豊橋市で平屋のリノベーションを行っているKさま邸。家半分はそのままで、残りの半分をリノベーションする工事。 弊社の考え方として、リノベーションを希望される方には『あと何年使うつもりですか?』とお伝えし、その答えに合わせて工事いたします。今回は20年ぐらいかなということで、30年以内に高確率で来る大規模地震から最低でも身を守れるようにしましょうということで、家全体での偏心率(家のねじれ)を0.1以下にしながら、弱い耐力壁のみで補強していくことを提案いたしました。耐震構造評点は0.48から1.09にあげる工事です。解体してみると、タイルで造られた在来浴室と呼ばれる水廻りは高確率でこのようにシロアリに侵されています。水廻りはコンクリートやブロックで施工されており、土の地面からつながっていますので外から見てもまったくわかりませんが、解体するとボロボロになっています。残念ですが、こうした柱は全て撤去をし、新しい柱と交換します。家半分のみですが、シロアリ対策の防湿フィルムを敷き込み、床下の湿気対策も兼ねます。この上に防湿コンクリートを打って今後のシロアリ被害を抑えます。弱い耐力壁ではありますが、新設する場所は出来る限り基礎補強をし、しっかりした耐力壁線で区画していきます。過去に増築された部分の基礎。見た目は悪くありませんが既存の基礎とのつなぎ方が雑だったため、建物本体と構造をくっつけるために部分的に基礎を一体化することをいたしました。この物件は豊橋市の耐震補助金を適用した物件で、市役所の方による配筋検査も無事終わりました。耐震構造評点 0.48から1.09にしながら、断熱気密性能は現代の高性能住宅に合わせる工事。梅雨の足音が近づいていますので、防水まで順調に工事がすすむといいなと思いますがちょっと難しいかな。Kさま、工事は順調です。引き続きよろしくお願いいたします。

1年での変化。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。1年前にお引渡しさせていただいた田原市のKさま邸。先日1年点検にお伺いさせていただきました。スギ板外壁が1年の間にいい色の抜け具合をしています。建築当初の若々しい木の色もいいなあと思いますが、私は経年した姿の方がより魅力を感じます。昨年の6月にお引渡ししたので新緑の芽吹きは今年初めて。先月の緑がとても美しかったですとKさまが嬉しそうに話されていたのが印象的でした。自然素材は1年経つと、色が落ち着きます。写真ではなかなか伝わりづらいのですが、新築当時にはない落ち着きが自然素材にはあります。住んでいるわけなので、床や壁も傷はつきますがそれもだんだん気にならなくなります。以前から引き続き使われているソファーや本棚なども、新築当初は少し違和感を感じましたが、建物側が一年の年月を経て持ち込み家具たちに馴染みました(笑)お子様がいると、たくさんのおもちゃで遊びますので、床はぼこぼこになり、カウンターはレジンを使った小物づくりでいろいろ汚れています。もしきれいにしたいのなら、電動サンダーで削ってしまう。そしてまたオイルを塗る。それで元の美しさを取り戻すのも自然素材ならではだと思います。先々、一般の方がDIYでメンテナンスできるからこそ、そうした材料を使っています。Kさま、1年点検にお付き合いいただきありがとうございました。きれいに使っていただき、1年でより魅力が増しましたね。次回は2年点検でお伺いいたします。引き続きよろしくお願いいたします。

建築会社から身を守る。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。ニュースなどでよく耳にする建築会社の倒産。無防備で建築をお願いすると、大きな被害にあう可能性もありますのでしっかりした情報収集が大事になります。『大きな会社だから大丈夫。』『創業〇年経つ老舗だから大丈夫。』などというのはあまり気にしない方がいいと思います。工務店業界は6割から7割が赤字経営。赤字経営は定期的な仕事があれば、利息を含めた借入金を返済できますが、仕事が止まるとそれが不可能になります。各業者から請求が来ると支払いが滞り…。 私が知っている建築会社の見極め方。あくまで私自身が肌で感じていることなので、全ての会社に当てはまらないかもしれませんがご自身の身を守るためと思ってお伝えします。 ① ブログとイベントの内容仕事が順調に進んでいる会社はホームページの更新が頻繁に行われます。特にブログとイベントは頻繁に更新されているはずでしょう。問題はその内容です。ブログの内容が建築とあまり関係がない…、更新することが仕事になっていて現場が動いていない、など状況が変わらないと発信のしようがないため、建築に関係ないネタが更新されます。(建築的学びのない)旅行に行ってきた、おいしいものを食べた、などはネタがないもしくは建築知識が貧しい証拠です。またイベントの内容についてですが、一般的な住宅会社であれば完成内覧会がメインになります。ただ会社規模によって完成物件が毎月あるわけではないため、それ以外の月は相談会のようなイベントになることもあるでしょう。イベント内容が問題で的を得ていない相談会、例えば『ローンなどお金の相談、水廻りリフォームの相談、何でも聞いてみよう相談』など。建築的に突っ込んだ話が出来ない会社に多く見受けられます。こうした会社はお施主さまのいわれた通りに建てることを良しとした会社でプロ意識が低いでしょう。そのため設計の方も、現場監督の方もよくわからず建築をしています。職人任せのほったらかし管理です。いい住まいにはならないでしょう。この地域でもそうした会社をいくつも知っています。 ② イベント案内時に金券的なものがもらえる会社この4月に建築基準法が大きく変わり、2025年3月には駆け込みによる需要が増えそれらの住宅が完成を迎えようとしています。駆け込みがあった翌年は必ず着工数が減りますが今年はより厳しい状況になるといわれています。そのためイベントをやっても集客出来ていない会社がとても多くなっています。そうした住宅会社は何で集客するのか?展示場の子供向けイベントのようなことを必ずやります。写真撮影、キッチンカー、似顔絵など建築と全然関係ないこと。それでも集まらないと、金券を配ります。最初は1000円ぐらいだったのが、効果がないとどんどん増え10,000円も珍しくありません。なぜそんなことをするのかというと1組を集客するための単価が10万円近くになっているからです。3万円配って集客できるのなら、安いと感じているようです。(弊社は来場いただいても記念品のタオルぐらいしかあげません汗。)必死な集客はおおむね財務状況が悪化に向かっていると考えて正しいはずです。私の廻りの信頼できる工務店さんは、全ての方がこのような集客方法は行っていません。 ③ 100万円を超える値引き商法弊社の値引きは端数調整の千円単位のみで、値引きは出来ません。なぜなら1つ1つの部材を正しくひろい見積しているからです。まじめにやる会社なら値引きは出来ません。100万円を超える値引きが出来るというのはおおよそ、いい加減な見積をしているかそもそも提案前にその100万円を見積に上乗せしています。赤字で仕事をしたら、今日のご飯も食べられなくなります。それは家族に迷惑をかけるし、これまで信頼して建ててくれたお施主さまにも迷惑のかかることになります。会社を存続させるには適正な利益が必要です。 以上は私が『とても怪しい』と思っている会社の例です。しつこいようですが、これはあくまで私の考えであり、全ての会社に当てはまるわけではありません。ただし、知識として入れておくことは大事でしょう。以前のブログで工務店の財務状況のことを書いていますのでこちらもぜひ参考にしてください。ブログはこちらから 最後に、一番確実に見分ける方法は作業している職人さんや出入りしている業者さんをつかまえて直接『この会社どうですか?』と聞くことです。またしっかりした会社なら職人さんや業者の方がその建築会社で家を建てます。どのぐらいの方が建てているか聞いてみるといい指標となるでしょう。いまいちな会社は社員が別の会社で家を建てているなんてことは当たり前のようにあるのが建築業界です。皆さんのご参考になれば幸いです。

学び、刺激を受ける。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。毎年受講させていただいている伊礼智さんの住宅デザイン学校。ゲスト講師の竹原義二さんの黒板授業が直接受けられるということで、フランクロイドライト設計の自由学園明日館へ行ってきました。直接お会いさせていただくのは初めてでしたが、建築熱のとても強い授業を3時間ほど拝聴させていただきました。先人たちが造り上げてきた建築から学びを経て、それを実践にうつされていることは大変刺激になり,そういった視点で建築を見ることがこれまで出来ていなかったため、勉強になりました。 何度も来ている自由学園明日館ですが、ライトの建築の読み込み方も教えていただきました。寸法体系は日本からの学びが多いライトの建築。天井の高さ、階段の寸法、開口の表現方法、壁の表現方法など、なんとなく見ていた明日館ですが解説をいただきより深く学べました。吉田五十八との違いはとても印象に残ってます。終わった後の懇親会もいつも必ず参加します。全国の仲間たちと会え、話が出来るのも毎回貴重な時間となるからです。竹原さん、見た目怖そうと思ってましたが、とても気さくな方で楽しく学びの多い時間を過ごさせていただきました。

フルリノベはサッシ施工中。
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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。田原市でフルスケルトンリノベーションを施工中のKさま邸。梅雨前までに雨仕舞の工事を!と頑張ったおかげで本日無事サッシが取り付けられます。今回採用したのはいつも通りYKKAPのAPW330 樹脂サッシです。南面は大きな開口を取ることで、冬場はしっかりとした日射熱取得をいたします。基礎と構造用面材が貼られたので、建物らしくなってきました。基礎部分は小さな通気開口がありましたが、家の大きさに対して少なすぎること、また地面から近すぎて床下への雨水の侵入も考えられましたので基礎断熱を採用しすべての通気開口はふさぐことにしました。そのため基礎部分を使った床下エアコンをご提案することになりました。玄関ドアはいつも通り、ユダ木工さんのMIYAMA桧。木製玄関ドアです。お施主さまが楽しみにしている玄関ですが、養生が取れるまでは様子がうかがえません。今年は梅雨が早そうだし、天気予報も曇りや雨マークが多いので、このタイミングで防水が出来たのはありがたいなあと思います。スケルトンの屋根から作業に入った大工さんですが、そこから約三週間。一般的な新築だとここまでの工程で約1週間。リノベーションは新築よりも手間がとてもかかります。丁寧に施工をし、現代の耐震、断熱、気密性能まで引き上げます。Kさま工事は順調です。週末はシロアリホウ酸処理のDIY工事。大変ですが、頑張ってください。
