ナフサショックは大丈夫なのか。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
SNSなどでは多くの情報が出ていますので、内容としては既出の部分もありますが、地域の工務店として今回の中東情勢によるナフサショックについていまの状況をお伝えします。
弊社の場合、年間で施工できる棟数が6~8件あたりが限界です。
すべてのお施主さまには施工予約というものを記入いただき、施工の順番に並んでいただくようにしています。
なぜなら建築は計画案を作る段階から完成をするまで最低でも1年はかかるからです。
計画的な施工計画を立てることで、安定的な仕事につながり、各業者への発注も滞りなく行え、経営に無理がなくなります。
だから、『今契約するとすぐ着手できます』とか『今なら材料が間に合います』のようなことは一切言いません。
そうしたことを言われる会社さんはおおむね経営計画がたっていない自転車操業であることが見えてきます。


弊社で現在影響が大きいのが断熱材になります。
4月の初めの基礎工事ではスタイロフォームという断熱材を使いましたが無事材料は届き基礎断熱をすることができました。
これから着手する物件においても、施工時期をお伝えし発注はさせていただきました。
早めに時期をお伝えすることで商品を押さえておこうと考えたからです。これは施工計画ができていないとできないお伝えになります。
ただし、そのお伝えをしても少し先の物件の場合受付後のキャンセルという状況が現在の状況です。
新規のお客さん(工務店)だと受付自体を拒否されますので、これまで安い建材屋さんを探してあちこちに声をかけていたような会社は冷たい洗礼をうけることになります。
また昨日TOTOさんから発表があり、新聞やニュースにもなりましたが多くの樹脂部品をもつユニットバスが受注停止になりました。
ユニットバスは壁など室内を仕上げる前に施工しないと工事として先に進めないためとても大変な事態です。

その他にも、建築では構造用合板をはじめとして様々な部分で必須となる接着剤も供給が怪しくなっています。
細かな部分をあげればきりがないですが、弊社の場合は上記にあげた部分が特に影響が大きくなっています。
外装や内容で自然素材を使っている会社は比較的影響を受けるのが少ないのは今回のようなことが起こってわかる事実です。
新建材と呼ばれるビニール素材を使った、床材、扉、枠材などを使っている会社はより影響が大きいでしょう。ビニールクロスもそれにあたるので完成しなくなります。

経営的なお話をすると、工務店業界は6~7割ぐらいが赤字経営といわれています。
そんな中で弊社は起業から黒字を続け、9期目を迎えました。
借金返済がないのでお施主さまには迷惑をかけてしまいますが、弊社として現場が止まってしまうことはあまり影響は大きくありません。
むしろ時間ができることで様々な検討や、追いついていない図面を書くチャンスが生まれるので前向きにとらえています。
借金を抱えている工務店さんや多くの社員さんがいる場合、毎月の支払が必ず来ますので止まることは許されません。
ここからの2~3か月は辛抱強く耐えられるか、会社の内部留保金額も大事になってきます。
また年間1棟やるかやらないかの工務店さんの場合、こうした状況を知らずに現場を進め、完成する前に多くの請求が届き支払えなくなるケースも出てくるでしょう。
リフォーム専門店では、さきほどお伝えしたユニットバスなどが手に入らないため同じことが想像できます。

こうしたナフサショックの状況の中、各社の代表はどう経営判断をしていくのか。
大変な世の中になりましたが、私はいいチャンスと前向きにとらえ1つ1つ丁寧に仕事を頑張っていきたいと思います。
よく聞かれることですが、『もう少し待ってからの方がいいですか?』に対しては、一度上がった材料が極端に下がることは二度とありません。
焦る必要はありませんが、少しでも早めに動くことが正解だと思います。
現状の地域工務店の報告でした。
ご参考になれば幸いです。