構造計算での梁高さの違い

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豊橋市の工務店。一級建築士でニコハウス設計室代表の鈴木です。

今回の住まいの情報は『構造計算による梁高さの違い』です。

少し難しそうな内容になっておりますが、新築を検討中の方にはお役に立てる情報なのでぜひご一読ください。

弊社ではプランをまとめながらおおよその構造計画をし、耐震等級3になるのかをチェックします。

さらにプランが決定した際には最初に構造計算をすべて完了させその先の詳細図面作成へと進みます。

 

一般的な工務店さんの場合

プランを計画 → 図面 → 見積 → 請負契約後に構造計算 → 確認申請などへと進みます。

弊社の場合

プラン計画 → 同時に構造、温熱計画 → 詳細図面作成 → 見積 → 確認申請 → 請負契約 をします。

見積をする段階で構造や断熱などの計画はおおよそ決定済みとなります。

なぜそのようにしているのかを、梁の高さ検討を参考にわかりやすくお伝えさせていただきます。

弊社ではこの写真のような構造計画はかなり初期の段階で行っています。

なぜか

① 必要な梁の高さがわかる

② 必要な柱位置を確定できる

③ 契約後に計画が無理だということにならない

というためです。

一般的な工務店さんの建物階高(1階床から2階床までの高さ)はおおむね3mほどですが弊社は2.5m程度で納めています。場合によっては2.3mほどの時もあります。

低く作るメリットとして

① 外壁や内壁の面積が減るため、コストが抑えられる

② 気積(室内の体積)が減るため、冷暖房する空間も少なくなる

③ 2階への階段の段数が少なくなるので生活がしやすくなる

④ 建物が低くなるのでお隣などへの日当たりが確保できる

⑤ 将来メンテナンスする面積も減る  ・・・・その他たくさん

からです。梁は『負担する荷重』によって大きさが変わります。

構造計画をしっかりした建物は『負担する荷重』が明確にお伝え出来ます。当たり前ですがたくさんの荷重を受けるほど梁は大きくなります。

弊社で上棟が終わった建物は建物内の柱が数本しかありません。

柱が多い方が丈夫じゃないか!と思う方がほとんどだと思いますが、屋根の荷重を梁に伝えるとその分、梁は大きくなります。

耐震等級3が取れるなら梁の負担荷重は限定的な方がいいのです。

弊社の2階建ての上棟が終わった建物だと内部にほとんど柱がありません。

柱が少ないから構造のコストも抑えられます。

 

さきほどの建物階高(1階床から2階床までの高さ)については、梁の大きさがわかっているとぎりぎりまで『低く』作れるのです。

贅肉と呼んでいますが、何も使えない天井裏のような空間が最小で済みます。

なんとなく気づく方もいると思いますが、一般的な工務店さんの建物階高(1階床から2階床までの高さ)はおおむね3mほどなのは、1階の天井高さが確保できる『余裕』を見ているからです。

なぜなら図面を書いている段階で梁の高さがいくつになるのかわからないから。それでも見積ができるのはプレカットを担う業者さんのおかげです。

これを見ている設計士さんでも知らない人は多いのですが、梁のかけ方に決まりはありません。

一般的な工務店さんはプレカット業者さんに丸投げをしています。

弊社の場合は私が梁をかけ、その図面をもとにプレカット屋さんに指示をしています。作業工程が全く違います。

試しに梁のかけ方で大きさがどれだけ変わるのかというと(数字が梁の大きさです)

 

ど真ん中の梁の大きさを見ると、180、270、210(単位はミリメートル)と違います。

それが梁の負担荷重による違いになるわけです。

梁のかけ方を変えただけでも180~270まであるわけですから、90㎜も大きさが違います。

当然梁は太い方が金額も高いわけです。

だから構造計画をしっかりすると構造費用を少しでも減らすことが可能になります。

今回のケースはとても素直な構造計画の建物なので梁の大きさが大きくても270㎜で済んでいますが、構造を考えない計画をすると390㎜や420㎜といったとても大きな梁が出てきます。

 

大きい梁の方が丈夫!と思ったそこのあなた、その考えは完全に間違ってます。

小さな梁でも耐震等級3が取れている会社こそ、しっかり構造を考えて作られている証拠です。

構造見学会などあるのならぜひ行ってみてください。梁の大きさを見るとその会社の構造知識が見えてきます。

だから耐震等級3でもまったく同じなわけではなく、会社ごとに違いがあるのです。

もう少し突っ込んだ話をすると余裕を見た耐震等級3となんとか頑張ってできた耐震等級3が存在しますが、長くなるのでやめておきます。

聞きたい方は事務所へお越しください。

 

若干難しい話でしたがみなさんの住まいづくりの参考になれば幸いです。

『少し心配だ』『教えてほしい』という方はぜひお問合せください。構造の肝をわかりやすくお伝えさせていただきます。

一般的な構造見学会よりは有意義な時間になることをお約束します。