北欧の旅 その⑥。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
旅の折り返しは、日本でまったく興味のなかったサウナ。フィンランドと言えばサウナ発祥の地。
本場フィンランドのサウナを体験し、日本に帰ってサウナマウントをとる作戦です(笑)
サウナはヨキサウナと呼ばれる、地域の労働者のための大衆サウナ。ここの設計も、もちろんアルヴァ・アアルト。
アアルト設計のサウナに入るというこの上ない贅沢な時間です。


このサウナはもちろん今でも普通に使われていて、今回は貸し切りになってはいるものの内装デザインも全てアアルト。
ここにきて初めて、フィンランドの一般的な方々の生活の中に『本物のデザイン』の浸透を感じることになります。
なぜ街並みが美しいのか?なぜ様々なものにデザインの洗練を感じるのか?など謎が解けてきました。


サウナの扉を開ければ休憩場所はこのような感じで食堂兼用になっていますが、ほぼすべてがアアルトデザインによるアルテックの照明やアルテックの家具たち。
それがとにかく雑にあつかわれています。(嫌味でなくうらやましい気持ち)
生活に馴染んでいるというのがとてもよくわかる空間でした。
サウナ経営のおばちゃんの部屋も同様で、『娘がきていたから』とはいいつつも乱雑ですが、心地よい。


フィンランド中の家ではないかもしれませんが、大多数がこういったデザインなわけで日本では考えられません。
その後に知ることになるのですが、ホームセンター的要素の場所でも売っている照明は500ユーロを超える(日本円で8万円とか)本物ばかり。
日本のようにいいデザインや素材の見た目をパクって作った『偽物』が存在しません。
日本の街並みがだめになってしまった原因は全てここにあると思えるぐらいにやきもちを焼き、そして日本の現状に愕然としました。


いろいろなことを考えつつ、マウントを取るために本場のサウナを楽しみます。
本場なだけあって、初体験のロウリュウでサウナの気持ちよさを知ることになりました。
そして体が温まった後は川へ飛び込みます。このやりとりをサウナ初心者にもかかわらず3回こなしました。
水着着用なので、川までは徒歩10秒ですが道路をまたいで川へドボン。


フィンランドサウナで無事整うことが出来ました。
このエウラという地域にはこの『ヨキサウナ』の他、アアルト設計のテラスハウスもあります。
案内をいただきましたが、こちらの建物や家具の扱いもなかなかの雑さ加減があります♪


不要になったアルテックの家具など様々な物が購入できるのですが、売る気があるのかわからないような接客ぶりでした(笑)
このエウラの街(たしか製紙会社 ここもアールストローム社だったかな?!忘れました)も街並みは整っており、散歩をするだけで気分が高揚します。
集合住宅のポストの並び方は雑さを感じましたがおもしろい絵だったので写真を撮りました。


この日はアアルト設計、以前女子寮で使われていたヴィラアアルトを1棟貸しで宿泊。
これまでの建築に比べると一般的な住宅に近づいた感じがします。
どの宿泊施設も各寝室があり、みんなが集まれるリビングがある。
屋外にテラスがありますが、日本の中間領域に比べ、天井が高すぎて落ち着きはないように感じました。
アアルトらしいデザインではありますが、私はちょっと違うなと突っ込みました。


この日も一緒にいった仲間と遅くまで建築談義。
さすがに3日目ともなると仲良くなりますが、疲れていますので就寝も早めに。
夕食時に明るいことにようやく慣れてきた3日目でした。
旅はまだまだ続きます。
お付き合いのほどありがとうございます。

