北欧の旅 その⑦。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
北欧旅4日目は有名なパイミオのサナトリウムの見学からスタートしました。
この施設は当時結核患者のために建てられた病院ではありますが,今は病院としての利用はなく、見学者に対して開かれた施設となっています。
見学者からの収入だけでこの施設を管理運営だれているのが素直にすごい。
それぐらいのボリュームのある建物がサナトリウムです。


板チョコのような外観とみなさんがいわれるように等間隔にならんだ窓は施設建築ならではでしょうか。
患者が快適にすごせるように、療養中の患者の枕元に直射日光が届かないように配慮しつつ、外部を感じられる気持ちのいい設計をされています。
その他にも長期療養を余儀なくされる患者さんのために様々な配慮がなされているのがこのパイミオのサナトリウム。
患者さんたちが元気になるようなビタミンカラーの床(アアルトは気に入らなくて塗り替えたかったらしいですが…)
患者さんが袖をひっかけないように配慮されたテスリやドアノブたち。
外部との接触の難しい結核患者さんが外を楽しめるように配慮された様々な窓や屋上テラス。
隅々までアアルト設計の優しさを感じられる建物です。








ただ私は病院という場所があまり好きではないため、あくまで個人的にですが居心地がいいとは思いませんでした。
その後、バスに揺られながらヘルシンキへ向かいました。
ヘルシンキ中央図書館は、フィンランドで大活躍中のALAアーキテクツさんの設計。
構造と下地がどうなっているのかよくわからない、波的なデザイン。
市民に愛された施設というのがよくわかる盛況ぶりで、このようなデザインの公共建築が身近にあることをうらやましく思いました。
曲線による建物の陰の出方が絶妙で1日を通した変化の見ごたえがありそうです。






この日は早めにホテルについて、自由時間となりました。
せっかくなので本場のアルテックへ向かい、何かあればためらわずに購入しようと思ってましたが…。
日本未発売のユハ・レイヴィスカの照明JL341を見つけ、真っ先に購入してしまいました。
一緒にいった仲間たちもためらうことなく購入し、みなさん大人買いをされました(笑)
日本に照明が到着してから知ることになるのですが、当たり前ですが電圧が日本と違います。電球の規格も違います。
さてどうするかは使用するまでの課題です(汗)
フィンランドはみなさん、やさしい方ばかりなので、街歩きも不安はなく充実していました。


アルテックに併設している、アアルト設計の本屋さん、カフェにも立ち寄りつつ、フリーの夕食はこの3日後に閉店となる『カモメ食堂』へ足を運びました。
ついた際にはすんなりと入れましたが、すぐにコミコミに。
映画を見ていない私はとくに思うことはありませんが、ようやく日本的な食事にたどり着きました♪
窓際が有名なようで、窓際の席にすわることもでき、映画ででてくるという窓際の景色を楽しむことが出来ました。




街ブラでは地元のデパートなどを散策してみましたが、そういった場所もアルテックの家具や照明が当たり前のように並んでいます。
備え付けの家具としてもそうだし、販売も当たり前のようにされています。
日本のデパートであれば、出来るだけ安いフェイクものが売っているのでしょうが、国民性の違いとデザインに簡単に触れることが出来るフィンランドにやきもちを焼きました。




この日の宿泊先はソロソコスホテルPier4。なかなか宿泊できない有名(らしいです)なホテル。
もうすぐ訪れるエコハウス大賞の日本に向けての発表の場もここになることがわかりました。
このあたりから、急に気持ちの余裕がなくなりそわそわしてきました(汗)


夕食後はアアルト設計のバーへ足を運びましたが、疲れも出てきたので早々に切り上げて、次の日のアアルト自邸、アアルト事務所へ向け早めの就寝を取りました。
まだ旅は続きます。
お付き合いをいただきありがとうござます。