COLUMN住まいの情報

住まいの情報(93件)

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湿度を調整する方法。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。今回のテーマはよく質問をいただく『湿度』について。私自身も最近大きな発見をしましたので、それを皆さんにおつたえしつつ、みなさんも高原のようなさわやかな空気環境になるように『湿度』にチャレンジしましょう! 最近私が知った反省点弊社は高気密高断熱住宅をつくる関係で、夏用のエアコンはそれぞれの住まいに1台のみでご提案をしています。24℃程度で冷房運転をすると、住まいによりますがおおむね25℃台ぐらいの快適な室温になります。それでも湿度がなかなか下がらず、70%近い湿度の場合が多くありました。室内干しをされる方も多いので、なんとかならないものかとずーっと悩んでいましたがようやくその答えがみつかりました。 対策前の室内の温湿度と床下の温湿度  ダメだった原因25℃ぐらいで安定した室温になるのはいいのですが、そのせいでエアコンの吹き出し温度が露点温度以上になっていました。エアコンは動いているのですが、除湿させるための結露が一切起きていない状態。除湿は結露でしか絶対にできません。結露がおきていないということは室内空気の除湿が全くされていないということ。エアコンの外にあるぽたぽた水がでてくるところ、乾いているのは除湿が出来ていない証拠。だから70%もの相対湿度があったわけです。 完成引き渡し前物件にて湿度対策と実験室温が一定に安定するのは高気密高断熱住宅のいい点ですが、その部分は除湿にとってはデメリット。そこでエアコンの除湿機能を適宜有効に使うことが大事だとわかりました。除湿モードは室内の相対湿度を下げる目的で動きます。冷房運転は室内の温度を下げる目的で動きます。そもそもの目的が違うのです。除湿運転にも設定温度がありますので、思い切って18℃で除湿をかけてみました。そうすると、見事なまでにエアコンのドレイン配管からぼたぼたと水が落ちてきます。しっかり除湿が進んでいる証拠です。 対策後の室内の温湿度と床下の温湿度    結論部屋の温度が一定になると冷房運転では除湿はできません。その場合、エアコンに熱を加えフル稼働をさせる、もしくは今回のように除湿運転にするしか方法がありません。エアコンに熱を加えるぐらいなら、除湿を18℃で運転した方が効率がいいように思えました。ただし、エアコンからはめちゃくちゃ冷たい空気が出てきますのでやり過ぎは注意が必要です。個人的には日中だれもいない時間帯に除湿をかけておいて、帰ってきたら冷房運転に切り替えるのがいいかなと思いました。18℃で除湿運転をした際に1日の電気使用量が8.3kwでした。太陽光モニターなので細かなことはわかりませんがおおむね1時間あたり300~400Wで動いてます。( 引き渡し前の物件で、家電など使っていないのでほぼあっているはず) 太陽光モニターの1日使用電力と1時間あたりの使用電力   これを2日間やったところ、約26℃ 相対湿度70%だった室内の環境が 約21℃ 相対湿度61%まで下がりました。絶対湿度という専門的な単位でお伝えすると、空気1立米あたり16gほどの水分だったのが11.5gぐらいまで減りました。使った電気は2日間で約16KW。さすがにこの環境は寒すぎますので、この水分量を保ったまま、26℃程度まで室温を上げたいところです。そうすると26℃ 相対湿度50%以下の高原のようなさわやかな涼しさのある住まいへと生まれ変わります♪理想的な室内環境!!!ちなみにユニットバスのドアを閉めたままにしていたため、ドア部分で結露がおきていました(汗) 長々と湿度のことを書きましたが、私自身がこれまで知らなかった部分や気づけなかった部分があり、それを発見した喜びもあり皆様にお伝えさせていただきました。こうした室内環境は高気密が大前提になりますので、気密の悪い家ではなかなか実現できませんが、暑い夏にさらっとした室内環境はこれ以上ない快適環境です。湿度が低いと必要以上に室内を冷やす必要がなくなりますので、体にやさしい環境になります。みなさまもぜひご自宅で試され、快適な夏をすごされるといいなと思います。暑い日が続きますのでくれぐれもお身体ご自愛ください。

建築会社から身を守る。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。ニュースなどでよく耳にする建築会社の倒産。無防備で建築をお願いすると、大きな被害にあう可能性もありますのでしっかりした情報収集が大事になります。『大きな会社だから大丈夫。』『創業〇年経つ老舗だから大丈夫。』などというのはあまり気にしない方がいいと思います。工務店業界は6割から7割が赤字経営。赤字経営は定期的な仕事があれば、利息を含めた借入金を返済できますが、仕事が止まるとそれが不可能になります。各業者から請求が来ると支払いが滞り…。 私が知っている建築会社の見極め方。あくまで私自身が肌で感じていることなので、全ての会社に当てはまらないかもしれませんがご自身の身を守るためと思ってお伝えします。 ① ブログとイベントの内容仕事が順調に進んでいる会社はホームページの更新が頻繁に行われます。特にブログとイベントは頻繁に更新されているはずでしょう。問題はその内容です。ブログの内容が建築とあまり関係がない…、更新することが仕事になっていて現場が動いていない、など状況が変わらないと発信のしようがないため、建築に関係ないネタが更新されます。(建築的学びのない)旅行に行ってきた、おいしいものを食べた、などはネタがないもしくは建築知識が貧しい証拠です。またイベントの内容についてですが、一般的な住宅会社であれば完成内覧会がメインになります。ただ会社規模によって完成物件が毎月あるわけではないため、それ以外の月は相談会のようなイベントになることもあるでしょう。イベント内容が問題で的を得ていない相談会、例えば『ローンなどお金の相談、水廻りリフォームの相談、何でも聞いてみよう相談』など。建築的に突っ込んだ話が出来ない会社に多く見受けられます。こうした会社はお施主さまのいわれた通りに建てることを良しとした会社でプロ意識が低いでしょう。そのため設計の方も、現場監督の方もよくわからず建築をしています。職人任せのほったらかし管理です。いい住まいにはならないでしょう。この地域でもそうした会社をいくつも知っています。 ② イベント案内時に金券的なものがもらえる会社この4月に建築基準法が大きく変わり、2025年3月には駆け込みによる需要が増えそれらの住宅が完成を迎えようとしています。駆け込みがあった翌年は必ず着工数が減りますが今年はより厳しい状況になるといわれています。そのためイベントをやっても集客出来ていない会社がとても多くなっています。そうした住宅会社は何で集客するのか?展示場の子供向けイベントのようなことを必ずやります。写真撮影、キッチンカー、似顔絵など建築と全然関係ないこと。それでも集まらないと、金券を配ります。最初は1000円ぐらいだったのが、効果がないとどんどん増え10,000円も珍しくありません。なぜそんなことをするのかというと1組を集客するための単価が10万円近くになっているからです。3万円配って集客できるのなら、安いと感じているようです。(弊社は来場いただいても記念品のタオルぐらいしかあげません汗。)必死な集客はおおむね財務状況が悪化に向かっていると考えて正しいはずです。私の廻りの信頼できる工務店さんは、全ての方がこのような集客方法は行っていません。 ③ 100万円を超える値引き商法弊社の値引きは端数調整の千円単位のみで、値引きは出来ません。なぜなら1つ1つの部材を正しくひろい見積しているからです。まじめにやる会社なら値引きは出来ません。100万円を超える値引きが出来るというのはおおよそ、いい加減な見積をしているかそもそも提案前にその100万円を見積に上乗せしています。赤字で仕事をしたら、今日のご飯も食べられなくなります。それは家族に迷惑をかけるし、これまで信頼して建ててくれたお施主さまにも迷惑のかかることになります。会社を存続させるには適正な利益が必要です。 以上は私が『とても怪しい』と思っている会社の例です。しつこいようですが、これはあくまで私の考えであり、全ての会社に当てはまるわけではありません。ただし、知識として入れておくことは大事でしょう。以前のブログで工務店の財務状況のことを書いていますのでこちらもぜひ参考にしてください。ブログはこちらから 最後に、一番確実に見分ける方法は作業している職人さんや出入りしている業者さんをつかまえて直接『この会社どうですか?』と聞くことです。またしっかりした会社なら職人さんや業者の方がその建築会社で家を建てます。どのぐらいの方が建てているか聞いてみるといい指標となるでしょう。いまいちな会社は社員が別の会社で家を建てているなんてことは当たり前のようにあるのが建築業界です。皆さんのご参考になれば幸いです。

電話勧誘業者に注意!

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今回の内容は建築的なこととは直接関係ありませんが、弊社で施工させていただいたお客さま宅への電話勧誘があったので注意喚起で書こうと思います。お施主さまからの相談として『中部電力から光熱費削減の電話がありました。内容はエコキュートを導入することでガスを含めた光熱費が3~5割低減の可能性があるとのこと、エコキュートの設置初期費用、ランニングコストは削減した光熱費から引き当てるというものです』それに対して私は『中部電力が直接エコキュートの営業をするイメージがありません。本当に中部電力ですか?例えば本当にそうだったとして、ガスコンロをIHに変え、エコキュートを設置する費用がかかるので短期での回収は太陽光発電をのせても無理だと思います』以上のことをお伝えさせていただきました。結果的にお施主さまは『お断りしました。今回の業者は〇〇と言って中部電力とは全く関係ないことがわかりました。中部電力の電気料金など巧みに中部電力との関係性を言い、安心感を持たせる手口だとわかりました。鈴木さん(私)の『中部電力がエコキュートの直接営業のイメージがない』の一言がポイントでした。』とのことでした。 今回のケースで百歩譲って、コストの削減の可能性があるとするならば昔流行った深夜電気温水器と呼ばれる、電気の生炊きを繰り返す温水器を利用している場合はエコキュートに変えるとかなりの電気料金削減になります。これは今日すぐにでも変えたほうがいいです。地球環境にとって強烈にマイナスな温水器です。ぐらいでしょう。 今回のお施主さまは数年前に弊社でリノベをし、ガスボイラーもエコジョーズという排気熱を再利用するボイラーに変えていましたので、今回の電話内容で契約されていたら…と思うとぞっとします。相談いただきありがとうございました。 一般の方が知らないことを過大に心配させて、契約を取ろうとする悪質な手口でした。このような相談でも、必ずお返事いたします。住まいのことで心配事あれば遠慮なくお問い合わせ下さい。契約してからでは間に合わないかもしれません(汗)

冬場の乾燥対策 加湿方法。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。今回は弊社で建築されたお客さまからの質問『冬場の乾燥対策』について書こうと思います。 お施主さまからの質問『乾燥シーズン真っ只中、昨年はあまり感じなかったのですが、今年は、リビングの乾燥(湿度30%前半)が気になります。加湿器を買うべきか?買わずに他にいい手はあるのか?』外気が乾燥している以上、住まいの中で何か知らの加湿をしない限り湿度が上がることは絶対にありません。もし加湿をせずに湿度が保てているとしたら、どこかしらから加湿されているはずなのでその状態はよくありません。古い木造家屋の場合、構造土壁が適度な湿度を保っていて、それを放出出来ている可能性もありますがこれはとてもいい状態。また第一種換気の全熱交換型を使うと室内の湿度を一定量室内に戻せますので3種換気よりは湿度に有利に働きます。 私がおすすめする加湿の方法以下は高気密高断熱の家で特に効果を発揮する方法です。私の自宅の場合、この方法で加湿器を使わずに室温21℃程度、45%程度の湿度を保っています。① お風呂は入っているとき以外入口をしめない、蓋もしない。また冬の間換気扇はまわさない(カビが心配ならサーキュレーターをあてる)⇒私の家は一切換気扇回さずそこに洗濯物干しますが夜には乾きますしカビも生えません。湿度は素直に高湿度のところから低湿度のところへ移動します。② 洗濯物を邪魔でない室内に干す。⇒せっかくの水分。屋外に捨ててしまうのはもったいない。私の家では寝室に干してます。これもお風呂と同じく乾きます。余談ですが、施工させていただいた住まいを調査するとかんたくんを使用されている住まいは湿度30%台の湿度で室内干しされている方の湿度は40%台になっています。洗濯物の室内干しはかなり有効だと思います。③ 観葉植物を多めに、適度に水を上げる。⇒ 観葉植物を置いている方はわかると思いますが、鉢のそこから水が出るまでぐらいにあげると背丈ほどの植物でも1.5Lぐらいの水が必要になるはずです。それが葉の表面より水分を出すわけなので小さな加湿器を置くよりも、見た目も省エネ的にも効果的です。最後にIHコンロ限定のお話し。ガスでこれをやると一酸化炭素中毒で命の危険がでますので絶対にダメです!④ 油を使わない煮物などは換気扇を回さない(加湿に利用)⇒ 特に自宅ではせいろ蒸しが流行っていて(笑)、よくやるのですがその際に一切換気扇をまわしません。そうすることで蒸気は室内で利用できます。 以上を試しても湿度が上がらないようならいよいよ加湿器の出番かなと思います。相談いただいた方は、目立たない室内にタオルを数枚干してみたところ、うまく湿度があがったとのことでした。 何でも機械に頼るのではなく、まずは生活の知恵で上記を試してみてください。加湿器は単純に電気の力で水分を沸騰させ蒸気をだします。それなりに電気を使うのであまりエコではありません。どのぐらいの電気を使うかというと6帖エアコン運転しているぐらい、あとホットカーペットなら中ぐらいで運転し続けているぐらい。できれば電気を使わず自然の力で加湿しましょう。潤いのある生活にするためぜひご参考になさってください。

建築会社の財務状況を気にしよう。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。今回のテーマは『建築会社の財務状況』です。派手さがないのでつまらないかもしれませんがとても大事な内容です。 いい住まいを建てたいと思われた方々は① SNSから様々な情報を手に入れ、②YouTubeで勉強し、③目当ての工務店さんをいくつか絞るということをされているのではないかと思います。 建築は多くの部材と人の手で造られるため、その良し悪しが一般の方だとわかりづらい構造になっています。『耐震等級3』『断熱等級』などのわかりやすい派手な部分は大事。でもそれ以外の部分もとても大事。ご自身で勉強をされるのはとても大変ですが、高いお金と身を守るため皆さんに絶対にやってほしいことがあります。『検討中の会社の財務状況を知ること。』帝国データバンクの調査では2024年に発生した建設業の倒産件数は過去10年で最多を更新したそうです。様々なセミナーを聞いても特に今年は倒産が増えるとのことを聞いています。赤字経営でしのいでいる工務店さんもたくさんあります。いい工務店さんを見つけてもその工務店さんの財務状況が良くないと、建築後倒産ということが考えられますし、建築中に倒産したらとても大変なことになります。そんな中で一般の人がどうやって企業の財務状況を知ることが出来るのか? 私のおススメは『ニフティービジネス 』調べたい会社の企業名を入れると、その会社の財務状況がわかります。弊社を調べると①帝国データバンク企業情報  2,200円②東京商工リサーチ企業情報  1,760円③リスモンG 与信ナビ(企業リスク格付) 1,045円という費用で弊社の財務状況がばれてしまいます(汗)。費用はかかりますが、数千万円のお金を使って一生涯の住まいを計画するわけなので身を守るため、このぐらいの費用は払った方がいいと思います。松竹梅の内容ではないですがまずは真ん中の② 東京商工リサーチ企業情報  1,760円を見て、1つだけの情報で偏りがあるといけないのでもう一つ確認するのがいいのではないでしょうか?企業なので当然利益を上げていることが大事になります。 昔からやっている老舗だろうと、何十件もやっている大きな会社だろうと利益がないと会社は存続できません。それが過去5期分さかのぼって見れますので会社の状況がとても分かりやすい。赤字なのはもちろん、利益や売り上げがあまりに乱高下しているのも何かあると思った方がいいでしょう。企業情報が少なすぎる会社もなんとなく気持ち悪い気がします。 私は10年前に独立し、7年前に法人化いたしました。おかげさまで売り上げは徐々に増え、毎年黒字での決算をし、法人税もしっかり納めています。どなたに聞いたか忘れましたが、法人税を払わないのは地域貢献できていないので必要のない会社だと。その通りだなと思いました。 大事な住まい。身を守るために会社の財務状況を知ることはとても大事です。検討中の工務店、契約する工務店、直接聞いてみるのもいいと思います。お茶をにごした話をされたら、ちょっと距離を置いた方がいいかもしれません(汗)

構造が得意か?見分ける方法。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。どの会社も『耐震等級3が当たり前』となってきましたが、それが書いてあるだけで信頼するのはちょっと安易な気がします。あちこちで見かける上棟後の骨組みや上棟写真を見ると、知った方だと構造が得意か不得意かすぐにわかります。不得意な会社はおそらくばれていないと思うでしょうが、少なくとも私にはばれてしまいます。(笑)どこを見ているのか?ということを少しだけ書きたいと思います。構造が上手な家は一般的に30cmを超える梁は必要ありません。やたらと30cmを超える梁があったり、場合によっては45cmもある梁もあったりするのですが、そういった梁は構造費用が高くなるだけでなく、自重が重いため『たわみ』と呼ばれる自分の重さで自然に沈むことにも配慮しなくてはいけません。 ①丘建ての柱や耐力壁があるか?こういうパターンは1階よりも2階がちょっとだけ小さい家や2Fのバルコニーが1Fの屋根兼用になっている家でめちゃくちゃ多く存在します。2階の耐力壁は床梁を伝わって、1Fの柱に力が落ち、基礎→地面へと伝わってきます。赤い点線の部分に柱を入れるべきなのですが、おそらくプラン上できなかったのでしょう。地震の力は軒の梁にかかり、筋交いで受けてもその下に柱がない。そのため2階の床梁の大きさが27cm以上になるでしょう。 ②二次梁がどのぐらい存在するのか?または3次梁は存在しないか?図のように荷重を梁が受けるのですが、まず青い梁が荷重を受けます。真下に柱があれば素直に地面に伝わりますが、梁で受ける場合はその荷重は梁を伝わり次の部材へと力が流れます。このパターンは屋根加重を受ける母屋と呼ばれる材料に多いのですが、これを床梁でやってしまったパターンを書いています。さらに青い梁の荷重が赤色の梁に伝わる。何が悪いかというと、赤い梁は青い梁が荷重で沈んだ分も受けることになるのでたくさん『たわみ』ます。このような梁のかけ方は、『無事上棟しましたー♪』的な写真を探すと意外と多く存在します。梁の大きさは36cm以上ぐらいになっているんじゃないでしょうか?さらにやばいと青い梁→赤い梁→緑の荷重という流れの3次梁になるパターン。構造を知らずに間取りをするとこのような梁のかけ方しかできない家が存在します。緑色の梁は45cmとかになりさらには集成材と呼ばれる構造強度の強いものよりもさらに上の強度をもつ梁などになることでしょう。このことから『梁が大きいから丈夫』というのがうそであることがわかると思います。必要以上の大きさの梁にしたところで意味はありませんので、梁は小さいほうが構造費用が抑えられるでしょう。 ③屋根加重が伝わっているか?建物はサイコロのように6面体すべてが耐力要素を持った面で囲まれることでしっかりした強度を発揮します。屋根から壁に荷重を伝えることはとても重要です。この場合屋根を6面のふたと考えるパターンと考えないパターンが存在します。屋根をふたとみなす場合耐力壁を屋根まで張りのばす必要があります。そうしないと2階の壁や柱に荷重が伝わってきません。そのために耐力壁の上の屋根を支える部分に登り梁などの存在が必要になってきます。これがないケースが多いので、注意が必要です。屋根をふたとみなさない場合屋根は構造上とりあえず無視はしておいて軒高さにある梁で水平面の構造をとる。(屋根完全無視ではありません)火打ち梁と呼ばれる梁と梁の隅に斜めに接続されている部材にたよる方法です。火打ち梁は構造的にはそれほど強いものではないため、細かい区画割をしてたくさん入れる必要があります。特に耐震等級3をとろうと思うと火打ち梁だけだとに2階に耐力壁が多めにないと成立しないでしょう。その場合、1階にも構造壁が多めになるため開放的なプランになりません。耐震等級3にするといいプランにならないといわれる方はおそらくこういった内容のことを知っていないと思われます。 『上棟しました♪』の写真をみるとこんな内容を見てしまうのが私の癖です。そしていまいちな構造を見つけてしまうと、とても残念な気持ちになります。耐震等級3にはなっている(かもしれない)ですが、その梁のかけ方になってしまうプランはどうだろう…と。ちょっと難しい話だと寄棟と呼ばれる屋根の交点の下に柱がないのはかなりいまいちな構造です。耐震等級3は力ずくで取ろうとすればできなくはありません。その分梁がどーんと大きくなるわけなので。素直に地面に伝わっていく、オサイフにもやさしい構造。 いい構造で住まいを計画しましょう。『この内容よくわからないけど、教えてよ』と思った方。ぜひお問い合わせください。お問い合わせはこちらから。知るとまた違った世界が見えてくるでしょう。

結露してるかも?!

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。今回の住まいの情報は『結露』について。これからの季節窓際にびっしりとつく結露。目に見えている結露は拭けますが、目に見えない壁の中は拭けません。見えない結露は、見えないカビの巣になります。 以下は冬に壁の中で起こることをイメージしてください。湿り空気線図が有名で、室温20℃で湿度50%だとその空気が9℃ほどの壁に触れると結露します。コップのように水滴がつくわけですが、一時的についてしまうのは仕方なくて乾けば全く問題がありません。どこにつくかというと、断熱材の屋外側の壁内側につきます。コップの中の水が屋外、コップの外側が壁、室内は同じく室内。高い温湿度の空気は低いほうへ低いほうへと動きます。この現象は当たり前なので誰にも変えることはできません。この結露をなくすには高い温湿度の空気が低い温湿度の部分と出会うことを断ってあげれば解消されます。 高い温湿度の空気が壁の中を通って冷えた外側の壁材に出会わなければ結露は起きません。そのために内断熱という方法をとる場合、最近では内側にビニールを貼ることが当たり前になってきました。このビニールを貼っていない状態がおそらく15年以上前ぐらいなのですが、めちゃくちゃ多く存在します。袋に入ったグラスウールというのが多いのですが、ほとんどの施工者においてビニール(防湿)の大切さがわかっていなかったため、壁の中にはじゃんじゃん高い温湿度の空気が入っています。外気温が9℃なんていうのは豊橋では普通によくある外気温です。そうなると冬の間中、壁の中が結露していることになりそうです。結露が続くということは木がずーっと湿っている状態なので、木材の強度という面でもいい状態ではありません。 弊社では壁の中がこういった状態にならないように、全ての物件で結露計算をしています。結露計算というのは室内側から各部材を通って徐々に気温が外気温に近づくわけですが、それぞれの部分でどういった温度になっているのかを確認するもの。湿度も一緒に移動しますので、20℃ 50%の空気は17℃ 60%→14℃ 70%→12℃ 80%→10.5℃ 90%→9℃ 100%(結露)となります。地域の平均外気温で確認することが、計算上決められているのですがもしこの壁の構成で氷点下-5℃になり雪の日で湿度100%の瞬間がくるとどうなるかというと壁の中で結露が起こる可能性がとても高くなります。(弊社の場合は外断熱の外側付近なので濡れて、凍った状態が続かない限り特に問題はありません)豊橋の場合、まず雪が少なく氷点下はその月の最低気温の数時間だけ。この対策をすることはお金を無駄に掛けることになってしまうと思っていますので弊社ではこれ以上のことは行っていません。湿った状態がずーっと続くのが悪いわけで、しっかりと乾燥する状態を造れば(通気胴縁が有効に働いている状態)、問題になりません。 こうした計算は全ての部材が適切に施工されていることが前提条件になりますので、例えば防湿ビニールなどがいい加減に施工されていれば結露の発生はより高くなるでしょう。見えてる結露は拭けば大丈夫。でも見えてない結露が心配。そうならないためにしっかりした施工が重要になってきます。みなさまの住まいの参考になれば幸いです。心配だ!という方がいれば遠慮なくお声かけください。お問い合わせはこちらから。お力にはなれるかなと思っています。

冬エアコンのスイッチONの時期。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。先日、床下エアコンを導入されたオーナーさまよりこんな質問をいただきました。『現在(夜7時ころ)リビングの室温が23度/湿度54%です。体感的に昨日の夜よりは冷えていますが、寒いという感覚はなく快適です。外から帰ってくると温かい!と思います。今朝(明け方)は少し寒いかな?と思いましたが、動いてしまえば暑いくらいでした。これからどんどん冷えていくなかで暖房はどのタイミングでつけるのが良いのでしょうか?このままだと明日の朝寒いのかな?と思い、暖房をそろそろつけ始めていいのか迷っています。今が快適すぎて(笑)冷房と同様、急速に温まるのではないと思うので、どのタイミングでつけ始めようか判断がつきません。』とてもいい室内環境でまだまだ暖房をつけなくても十分対応できるでしょう。建物によってになりますが、日射熱取得をしっかり取り入れた建物では晴れていればまだまだエアコンの出番はなさそうです。快適というのは人によりそれぞれ違いますが、『快適評価指数 PMV』というものであらわされています。細かな内容はおいといて岐阜森林文化アカデミーさんに詳しく書いてあります。岐阜県立森林文化アカデミーさんのページはこちらから。PMVの表を引用させていただきます。これから冬にかけて、快適な範囲というものは体感温度20度を超え、湿度が50%を超えたあたりになります。体感温度なので、実際の室温とは異なる点は注意が必要です。一般的に体感温度は、天井、壁、床の表面温度と室温を足して2で割ったぐらいになります。断熱性能が低い住まいの場合、室内の表面温度は10℃とかになりますので、いくら20℃の室温があっても体感温度は15℃。寒いはずです。高断熱の建物の場合室温-1~2℃程度が各部位の表面温度になりますので、室温が21℃もあれば十分な暖かさを感じます。快適か、快適でないかは表面温度の方が重要になりますのでしっかりした断熱材が必要になるということです。 話は戻り『エアコンをいつ付けたらいいですか?』の問いには、『朝方の自然室温で20℃を切るぐらいが暖房ONの目安だと思います。』とお答えさせていただきました。またできるだけ日中は日射熱を取り入れ、昼間にたくさんの熱を蓄えておくことも重要です。床下の基礎土間コンクリートは蓄熱に力を発揮します。無理をせずに出来るだけ省エネで過ごす。なんとなく地球環境に貢献している気がしてきませんか?寒い冬はもうすぐそこまで来ています。私の家もいつまで我慢できるか。男性と女性でも感じ方は変わりますので、女性優先でエアコンのスイッチをONにしましょう。冬の寒さをなんとかしたい方へご相談はこちらから。今年は間に合いそうにありませんが1年でも早く解決すると、驚くほど快適に省エネに過ごせます。こちらからの営業は一切いたしませんので、遠慮なくお声かけください。弊社の新築では床下エアコンの採用率がとても高くなっています。冬の優しい暖かさを体感したい方は来週末の暮らし見学会への参加をおすすめします。曇ってて、ど寒い日だといいなあと思ってます。みなさま有効にご利用ください。

断熱性能による表面温度差。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室、一級建築士の代表鈴木です。最低気温が10℃を下回ってしまいました。断熱性能(気密も)によってどのぐらい表面温度が違うのか、断熱リノベをするとどれほど快適になるのかをお伝えいたします。私の家は自宅をリノベしたUa値0.26の建物。その横に2006年頃(平成16年頃)に建った廊下でつないだ離れ Ua値0.90があります。洗濯が旧建物で行っているので床の冷たさに驚きます。そしてリノベした自宅に戻ると床暖房なのか?と思うほどに暖かさを感じます。気になると測定して報告したくなるのでどのぐらい違うのかお伝えします。また最後に少し衝撃的な内容を書きますので飛ばし読みなら最後を見てください。 11月8日 今朝の外気温は私の家の温度計で11.9℃でした。寝ている間はまだ半袖、短パンで薄い夏用布団1枚ですが快適です。靴下はあまり履きたくないので素足での感想になります。自宅の床は表面温度が18.6℃。  じっとしているとすこしづつ冷たさを感じますが、まだまだ素足で大丈夫。リノベ物件は床下の構成が大引間スタイロ90㎜(一般的な床断熱のやり方と同じ)+合板上に全面敷で20㎜のスタイロを敷き熱橋をなくしています。合計110㎜の断熱材+合板2枚分+床材の断熱構成です。離れの方の床温度は12.5℃。素足だと寒いのでスリッパが必要です。  申し訳程度の床断熱が施工されていますが、外気が11.9℃ということで断熱材の効果が0.6℃ほどしかきいていません。ほぼ外気温と思って間違いないでしょう。平成16年の建物でもこんなものです。 せっかくなので窓廻りも計ってみました。  リノベのトリプル樹脂サッシの表面温度は18.9℃。床の温度とほとんど変わりません。今日は曇っていますが、日中陽が差し込むとそれだけで部屋の中が暖まり、まだまだ暖房無しで過ごせます。離れの方の窓の温度は10.2℃。んっ…外気温より低い。もしかしたら温度計がいまいちで10℃を下回っていたかもしれません。  離れの方はペアガラスのアルミサッシ。床と同じくほぼ外気温。暖房をしても暖かいはずがありません。 寒い家の場合、どれほど暖房をしようが床面や窓廻りは外気温に近づきます。暖めれば暖めるほど室温と床、窓表面温度の差が広がります。水分を発生する灯油を使った暖房器具を使うと、窓廻りにびっしり結露が出るはずです。窓廻りは目に見えるから結露の水を拭けますが、床や壁の中は結露していても気づきません。気づかないとどうなるかというと、木材の含水率が上がり、床が腐りぶかぶかしたり、カビが発生します。 こうした温度差を可視化してみると、その違いに驚かされます。いかに断熱が大事なのか、また気密が大事なのか。結露で木が腐っていくわけですがそうなると耐震性能にもおおきな影響を与えます。耐震などで使う金物は鉄で出来ていますのでほぼ外気温でしょう。室内の温湿度の影響を受け、夏のコップの結露のようにびっしり木材を濡らすことでしょう。中途半端なリフォームをすると、中途半端に気密がよくなりより住まいをダメにします。こうした発信をつづけることで、皆さんの断熱気密に対する大切さが伝わり、よりよい住まいが増えるといいなと考えます。お問い合わせはこちらから。この住まいの情報が皆様の有益な知識に変わっていることを切に願います。 最後に、Ua値が高いはずなのに寒い方へ。もし今日の気温(最低外気温10℃)程度で暖房を入れないと寒いとするならば、計算上のUa値のみで施工が伴っていない可能性があります。一度、建築された工務店さんに相談された方がいいでしょう。サーモカメラがあると断熱施工の良し悪しは可視化できますので、『なんとかしてよ、鈴木さん』って方はお声かけください。

スギ板外壁は大丈夫?

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。弊社で最近多くなったスギ板外壁。内覧会でよく疑問を持たれますのでそのことについてお答えいしたいと思います。皆さん以下のような質問が多いです。① 木の外壁は高くないですか?② メンテナンスは大変じゃないですか?③ 腐らないですか?その他にもありますが大きいのが以上の3点。この疑問を解決していただこうと思います。読むのが面倒な方は弊社YouTubeチャンネル『ニコチャンネル』にも投稿しています。ぜひご覧いただき、木の外壁の検討をあれてみてはいかがでしょうか?ニコチャンネル 『木の外壁、疑問を解決します』はこちらから。その① 木の外壁は高くないですか?結論を先にお話しすると、ガルバリウムと同じぐらいです。弊社で使わないサイディングの金額も調べるとほぼ同じでした。一般的には高級な外壁のイメージを持たれるようですが、差額はほとんどありません。なぜなのかということですが、サイディングの場合はサイディングを貼る専門の業者がきます。その方たちは外壁を貼るのが仕事。それ以外の工事は一切やりません。工期通りに外壁がしあがっていればよく、その後現場にくることはありません。木の外壁は大工さんが貼ります。防水施工も責任を負いながら内部の造作工事と合わせて、天気を見ながら外壁の工事も行います。大工さんは木の外壁を貼り終えれば、室内の工事に取り掛かれますが、外壁屋さんは帰るだけ。それでも手間としては必要になります。時間の無駄がなくなるのは、イメージできるかなと思います。また廃材という点でサイディングの場合、貼った後のゴミは燃えない産業廃棄物になります。余った材料も、もちろん産業廃棄物です。木外壁の場合、木なのでウッドフェンスなどで流用することができます。産業廃棄物ではありますが、他のことに流用できるのもポイントです。材料は、荒材と言って表面がガサガサしている木を使います。その方が水が染み込まない、加工工程が減りコストを抑えられるからです。以上のようなことから弊社では、けして高価な材ではなくお値打ちに使える材料として皆さんに愛されています。その②  メンテナンスは大変じゃないですか?ほとんどの方が大変だと思われていますが、それは一部で当たっていて、一部では間違った情報になります。当たっているという点では、製材してすぐの木は淡い木の色をしています。その色が好きだ!、もしくは塗装した木の色が好きだ!という方にとっては、塗装が必要になりますので定期的な塗装コストがかかります。逆に木本来の色であるグレーがいい!という方にとっては色の変化を経年美化として楽しめば、塗装の必要は一切なくなります。再塗装なし。塗装という点ではメンテナンスフリーになるわけです。色の変化が許容できる方限定になるので、あなた自身でメンテナンスは大変なのか、そうでないのかが分かれます。このお話の際にいつも話題に出す神社。『お近くの神社は塗り替えやメンテナンスを頻繁にしていますか?』おそらくしていないでしょう。というかあなたが生まれたころからそのままの姿でしょう♪③ 腐らないですか?この質問もとても多くいただきます。おそらく木製デッキで腐っているのを何度も見聞きしてきたからだと思われます。結論を先にお伝えすると、乾けば腐りません。乾かないなら腐ります。外壁はデッキのように水平に貼るわけではありません。壁面に貼るので、水がたまる心配がありません。木は水分があることにより腐朽菌が発生し腐ります。雨が降った翌日でもすぐに乾いてしまうので、腐っていく心配はほとんどしなくていいでしょう。ただし、乾くような施工がされていない場合、通気胴縁の通気が不十分、水がとどまる箇所がある、そういった場合はその部分から腐っていくことがあるため、施工には十分な注意が必要です。もし万が一腐ったりした場合、木の外壁の張り方によって、再施工交換は容易にできます。この点が木外壁の最大のメリットです。一般的なサイディング、ガルバリウム、塗り壁などは部分補修が不可能です。その点、木の外壁は廃盤がなく部分補修が可能です。がんばればDIYでご主人さまでも直せます。また1枚当たりの金額も2000円でおつりがくるぐらいなので、外壁再塗装などに比べたら明らかにお値打ちでしょう。木の外壁の心配する点をいくつかお伝えいたしました。この内容は弊社YouTubeチャンネル『ニコチャンネル』にも投稿しています。ぜひご覧いただき、木の外壁の検討をあれてみてはいかがでしょうか?ニコチャンネル 『木の外壁、疑問を解決します』はこちらから。景色に馴染み、地域に馴染む。ご近所にも喜ばれる木の外壁、日本の景色を昔のような美しい景色へと取り戻しましょう。

リフォーム・リノベで気を付ける点。

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豊橋の工務店。一級建築士でニコハウス代表の鈴木です。ここ数年多いリフォーム・リノベーションの相談。古い家の方だけだと思われるかもしれませんが、5年以内にリフォームして水廻りまできれいにされた方々からも相談がきます。特に冬寒いという相談お施主さまが悪いわけではなく、依頼した地元工務店やお知り合いの大工さんがこれまで経験してきた勘で施工しているケースが多く、根拠なく完成まで工事されています。何が起こっているかというと、ほとんどの場合①断熱材の知識が昔のまま(勉強不足)②気密は知らない(勉強不足)この内容だといくら新しくリノベしても暖かさという点であまり意味を持ちません。『新しくしたのに寒い!』というのが本当に多い(涙)。5年前に『寒いから』ということで他社さんで断熱性のあるアルミ樹脂ペアガラスに変更しつつ断熱リフォームをされた現場。お風呂やキッチンも新しくしたにもかかわらず、寒いからということで弊社で再施工をさせていただいた例です。温熱カメラであちこち確認させていただきましたが、断熱が不足しているのは明白でしたので、新品のユニットバスもキッチンも解体させていただきました。再利用ということもできましたが、プランを優先され、断腸の想いで廃棄。汗豊橋市・田原市と地区というのは雪があまり降らず温暖です。最近は意識が変わっては来ましたが、大工さんたちでもまだまだこういった断熱への意識が高くない方々がいるのは事実です。お高性能な住まいを自社で計算や設計までされていない場合はやめた方がいいと思います。思った通りにはならないでしょう。解体をしてみると、断熱の施工方法などはびっくりすることがよくあります。そういった空間だと室温は20℃ぐらいでも、足元は10℃以下なんて当たりまえ。いくら暖めても頭の方が暖まるだけで足元は寒いまま。そのせいで、エアコンが効かない感じがして足元から暖める床暖房やファンヒーターでないといけないような気がしてしまいます。図に書くと下のようなイメージです。部屋が寒いからと暖房を強くしても、自然現象で暖かい空気は上昇し、足元などにはさらに冷たい空気が流れ込みますので足元の部分は寒いままです。イメージは気球のような感じです。なんとなく断熱し、気密を無視した施工はこのような空間を造りだします。アパートのように両側に住戸がある場合は、両側の部屋、また上下の部屋も暖かい可能性があり、性能が低くても暖かく感じます。そんな方が戸建てやリノベに引っ越すとより寒さを感じ、なんのために新築やリフォームしたのかよくわからなくなります。こういったことが起こらないようにするために、断熱をした家は気密をセットで工事しないといけません。気密の悪い部分がどこなの?ということですが軸組み工法だと仮定して例をあげると①壁と天井の取り合い及び壁と床の取り合い(廻り縁と呼ばれている材料と巾木と呼ばれている材料の部分)②窓廻りなどの開口部③コンセントやスイッチなどの開口壁の中、1階と2階の間はだいたい上昇気流が起こってますのでそういった部分の空気の流れを止めるための『気流止め』というのも重要です。 またもう一つ気を付けないといけないことが断熱やリフォームしたことにより『結露の発生』が助長される可能性があるということです。これまでの寒い家は、結露しても気密が低かったから構造躯体部分が乾いていた可能性があります。それが中途半端に断熱し、ビニールクロスで結露の水分が逃げられなくなると、構造躯体部分でカビなどの発生が考えられます。部屋を暖めることで、部屋と部屋の間の壁から小屋裏へ暖まった高湿度の空気が流れ、結露するという可能性もあります。結露は長期的に少しづつ悪さをしていきますのですぐには気づかないのがやっかいなところです。 最後にリフォームでも断熱リノベでも、現状の状況から室内で使っている材料が変わると壁内などの環境が変わります。断熱するとなるとより環境が変わりますので、知識を持って施工しないとおおきな後悔につながります。大きな費用をかけてする工事だからこそ、しっかりした知識と施工が必要になります。1~2時間勉強するのはわるくないと思いますよ。断熱リノベの相談会はこちらから。みなさまのリフォームリノベーションが後悔しない仕上がりとなることをお祈りいたします。

職人による建築費用の違い。

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。今回の内容は職人さんの仕事の違いによる建築費用について。費用についての三部作 最終回です。建築会社を選ぶ際に重要な要素となるコスト。選ぶ会社でコストは変わるのか?お得なことはありえるのか?結論を先にお伝えすると、全ての職人さんが常時同じでない場合、職人さんの費用は抑え目なことが多く、丁寧な仕事につながりにくくなります。常に同じ職人さんがおすすめの建築会社になります。 職人さんは1日いくらになることが適正な価格だと思いますか?昔は1日2万円が目安でしたでしょうか。これは高いと感じますか?私は安すぎると考えます。職人さんが会社に所属していない場合、自身で道具を持ち、営業車を持ち、福利厚生、税金も自分自身で支払う必要があります。1日2万円では300日働いたとしても600万円。そこから上記の費用を支払ったら、家族を養うには厳しすぎます。 私が考える職人さんの1日は3万円以上が目安です。大工さんを例にあげると、あなたの家を造るのに大工さんがいた日数が何日だったのか。一般的な建売では1か月もすると大工さんはいなくなります。1件の手間賃が100万円ないからです。とにかく急いで造って細かなことも振り返らず、考えずに造る家が建売です。自由設計ではあるけれどメーカーなどの既製品を多用した建築屋さんは、IKEAの家具のように組み立てる作業が主になるのでいつも同じ材料をつかっているなら考えずにつくれます。そのため大工さんのいる期間は建売より少し時間をかけたぐらいでしょうか。 完成までの期間で短くできない(してはいけない)期間があります。基礎工事 ※約一カ月仕上げ工事 ※クロスなら電気設備、左官合わせ1か月残りが大工さんの工事でしょう。あなたの家が4カ月で出来るなら大工さんは休みを除き最長50日ほど。150万円ほどの手間賃でしょう。 弊社の場合、造作もそれなりにありますが木の外壁が多いため、外壁も大工さんが貼ります。おおよそ80日ぐらいが弊社大工さんの工事期間目安です。250万円~300万円ほどが目安になります。弊社の家は6か月~でできますので 基礎1か月、大工さん3か月、仕上げ1.5か月、外構植栽1か月です。 適正な職人さんへの費用を見ておくことで、誰かが傷むことなくいい住まいづくりを続けることができます。大工さんの手間だけをみても100万円単位で変わりますが、その他の職人さんたちにも同じことが言えますので人件費は材料同等大事な要素です。 『建築費用の分解3部作』の投稿をさせていただきました。第一段 会社規模による費用の違いはこちらから第二段 材料による建築費用の違いはこちらから。家電屋さんなどに行くと私自身も1円でも安く購入したいと思い値段交渉をします。だから少しでもお値打ちに購入したい気持ちはとてもよくわかります。家電ならどこで買っても同じですが、工事がかかわる私たちの住まいはどこで買っても同じというわけにはいきません。とてもたくさんの手間がかかっているのです。ご理解いただくとお値打ちにということよりもいい住まいを適正価格で購入する方がいいなと思いましたか? 材料を適正な価格で仕入れ、適正な手間をかけ、適正な利益を得て、弊社設計施工により付加価値が足されお施主さまにお渡しする。だから値引きはできないのです。お問い合わせはこちらから。みなさまの家づくりのご参考になれば幸いです。