基礎での気遣い。
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
豊橋で施工中のSさま邸。ちょうど暮らしのセミオーダータイプの住まい。
年内の基礎完成を目指して基礎工事中ですが、基礎配筋検査が終了いたしました。
弊社の基礎は構造区画といわれる区画に対してものすごく素直に基礎設計をしていますので、コンパクトな住まいだと地中梁は2か所程度で構造強度を確保できます。

鉄筋の金額が上がっていますがコンクリートの費用もどんどん上がっています。
構造的な強度は保ちつつ、出来るだけ経済的な基礎設計にするのはとても大事なことです。
経済的というのは、出来る限りシンプルな構造を考えることで『梁』の強度が『小さく』済むこと。
『梁』が『強ければいい』かというと確かにそうなのですが、何も考えずに設計した家と、しっかり計画した家では必要となる『梁』の『せい(高さ)』と『鉄筋の量』がちがいます。

強度が問題ないなら、『梁』は小さいほうがいいし『鉄筋』は少ないほうがいいのです。
木構造も同じくのことなので、梁の高さが40cmもあったり、梁の種類がまちまちだったりする場合は、構造計画されていない設計で間違いないでしょう。
そうはいっても少し余力を見るのは弊社のやり方で例えば基礎には『かぶり厚さ』と呼ばれる鉄筋をサビさせないためのコンクリートの厚さがあります。
地面とくっつく場所は6cm以上と決まりがあります。
でも弊社は7cmにしています。

ギリギリって気持ち悪いなあと思いますし、現場で施工していて絶対に全て同じ寸法になっているなんてことはありえないからです。
出来るだけ経済的に、でも少しだけ余力を見る。
これが大事だと考えています。

もう一つ、鉄筋はフックのついた鉄筋(主筋と呼ばれる鉄筋から外れないようにする釣り針状に曲げた鉄筋)があります。
現場で組み立てる場合はフックのついた鉄筋である必要があります。
弊社の場合は認定工場で溶接したフックのない鉄筋を使っています。
どちらでも強度上問題ありませんが、フックがついている場合は、さきほどのかぶり厚さに注意が必要です。
鉄筋は鋭角には曲げられません。緩やかに曲がっていますのでコンクリートの厚さがギリギリだと『かぶり厚さ』が足りなくなってしまいます。
細かなことですが基礎工事もいろいろと注意点があるのです。
Sさま工事は順調です。
引き続きよろしくお願いいたします。