40坪の家が20坪台で十分になった理由|暮らし方は大きく変わりました
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
直近での弊社への設計依頼の物件は5割超えくらいで平屋になっています。
平屋要望が多い反面、現在の物価高騰で一般的なプランをしていくと、とても高価な物件が完成します。
予算に余裕があるかたはいいのですが、すべての方がそういうわけにはいきません。
なぜ平屋が高いのかということをおさらいしておくと
① 基礎の面積が2階建てでの同じ面積の家の2倍
② 屋根の面積も同じく2倍
というのが理由になります。
ここからは私の現在の考え方になりますが、平成初期のころ、まさに私が青春を謳歌した時代の親たちが建築した建物は40坪前後ぐらいの大きさが主流でした。
なぜならリビングでみんなでテレビを見る生活だけでなく、個室にこもり、彼氏彼女と長電話をしたり、TVをみたりと個室時間が多かった。
その部分の変化がとても大きく、今はみんなスマホやタブレットを見ています。
リビングに集まっていたとしても、スマホを片時も話さずTVはバックミュージック程度。
みたい番組はネット配信で補えますし、個室のTVの必要性はまったくもってなくなりました。
そうなると個室の大きさは当時よりも小さくていいのは必然でしょう。
またまだ法事を自宅でやっていた時代のため、2間続きの和室、大きめの仏間など誰も使っていないけど必ず作っていた部屋が存在します。
そんな仏間などは現代ではリビングの一角に小さな仏壇を置くスタイルへと変化しました。
この変化で必要な面積は5坪~9坪ほど減りました。

収納部分の話になると、以前の家は真冬はとにかく寒かった。たくさんの暖房器具と厚手の毛布など収納するものもとても多かった。
現代の住まいは高断熱により、室内環境が劇的に改善されました。
私自身もそうですが、とくに寝具については年中同じもので過ごせますので押し入れという存在が不必要。また季節で使っていた暖房器具も不必要。
これだけで昔の部屋の収納よりも1~2坪ぐらい少なくても対応ができる。
最後に家全体の環境。
以前の家は部屋ごとに暖冷房をしていました。トイレのためにリビングからでるとき『ドアちゃんと閉めてよー』って怒られたりする経験は誰でもあると思いますが、今の家にはそれがありません。(少なくとも私が設計している家ではありません)
なぜなら家全体がほどよくすごしやすい温熱環境になっているから。
ということは上手に計画をすると廊下という不必要なものは減らせるわけです。
坪単価が100万円もする時代に長い廊下はお門違い。
弊社の物件では廊下だけの用途というものがほぼ存在しませんので、以前の家に比べて5坪ぐらいは小さくなっているでしょう。

以上のすべてのことをふまえていくと40坪ほど必要だった家は20坪後半の面積で用を足すことになります。
坪単価が100万円だった場合1000万円以上減額できました♪
ここにいたるにはある程度プランを計画する際、設計士の『腕』が試されるわけです。
そこからさらにコンパクトにするコツとして『視線の抜け』というものを利用しています。
リビングに座った際、ダイニングに座った際などに自宅の壁を見て生活すると窮屈に感じます。
水廻りが目に入ってきてしまうのはもっと最悪だと思います(家事動線を気にするあまり、最近のSNSアップの計画に多い…汗)
弊社の場合は
リビングに座った際、ダイニングに座った際などに屋外へと視線が抜けていく窓を適宜配置します。
しかもその窓はお隣の外壁を眺めるという無駄な窓にはいたしません。
必ずお隣の間などから遠くまで視線が抜けていく、道路や遠くの景色が眺められる場所のみに窓を取ります。
みなさんによく聞かれること『何帖ありますか?』に対して私は『何帖に感じますか?』と返します。
リビングだったら4~6帖ぐらいは広く感じるような答えが返ってくる印象です。

こうしたたくさんの設計手法を使い、過不足ない空間にしあげているのが『ちょうど暮らしの平屋』。
13.5坪と18坪という大きさではありますが、その大きさに惑わされることのない豊かな空間が広がります。
次回アップする動画でも話していますが、セミオーダーでありながら間取りは要望に合わせて、私がプランをいたします。
自然素材で高性能ないつも通りのニコハウス設計室仕様。外構と植栽の費用も含まれています。
予算の不安を持たず、計画してみませんか。
最近お問合せを多くいただく、『ちょうど暮らしの平屋』の疑問のお伝えでした。
家を小さくしたいのではありません。暮らし方が変わったから、必要な広さも変わったのです。私たちは、そのご家族にとって『ちょうどいい』大きさを設計しています。
最後にこれから家を計画する方にアドバイスです。
予算に余裕があってもあまり大きな家を建てるのはよくないと思います。様々な理由があるのですが1つだけ、将来お子様に譲るときに困りますよということ。
引き続き使うにしても広すぎたり、広すぎるとメンテナンスに費用がかかるし、さらに売却をするにしても高くて売れない…、壊すにもお金がかかる。
世帯人数が3人以下の現代ではコンパクトな方が需要がありますし、メンテナンス費用が抑えられ、賃貸で貸すことだってできる。
高性能な住まいだからこそ、長く使うことを考え造りましょう。
みなさまの家づくりのご参考になれば幸いです。
