耐震等級3の落とし穴①|許容応力度計算でないと評価できない3つの設計

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豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。

この住まいの情報では家を建てるすべての方に有益になるようにという思いで、一般の方にわかりやすく情報発信をしています。

住まいを考えている方はぜひご参考になさってください。

本日のテーマは『許容応力度計算をしていない物件でやってはいけないこと』をお伝えします。

近年は耐震等級3が当たり前になりましたが、どのような計算で耐震等級3を取得しているかまで説明されることはほとんどありません。

そのため、同じ耐震等級3でも設計上注意すべきポイントが見落とされているケースがあります。

構造に詳しい設計士からすると設計内容や上棟時の写真を見ると、構造計画の考え方はある程度わかります。

 

その代表例が、『許容応力度計算を行っていない建物では採用すべきでない設計』です。

もし構造計算を行う前から次のような内容が計画に盛り込まれていたら、一度立ち止まって確認することをおすすめします。

① 勾配天井 (一部の屋根の高さが違うような計画)

② 太陽光パネルの設置

③ 2階建ての場合、1に柱がないのに2階床梁にある耐力壁

①勾配天井について

よくありそうな内容なので一番最初にお伝え。

耐震等級3には、品確法による評価と許容応力度計算があります。しかし勾配天井のように壁の高さが変わる建物では、品確法だけでは適切な評価ができません。

なぜダメなのか。

耐力壁の高さが場所によって違うから。細長い耐力壁と背の低い耐力壁では受ける地震力に差があります。

たとえ幅が同じ910㎜だったとしても違うのです。

それを考慮できるのは許容応力度計算のみ。だからそれ以外の方法でこのような勾配天井があるのはNGなんです。

こうした計画をよく見かけますが、その理由は設計者側が十分に理解していないケースも少なくないからです。

もしそのような計画を計算前から行っていたのなら、お施主さま自身で注意してあげましょう。

② 太陽光パネルの設置

これも品確法による耐震等級3だけでは適切に評価できない内容です。もちろん、構造計算を行っていない「耐震等級3相当」であれば、なおさら注意が必要です。

なぜダメかというと、家には重さがあります。許容応力度では建物の重さを計算します。

でも品確法以下の方法では重さは計算していません。さっくりこれぐらいだろうで終わり。

『余力を見て重く仮定しました』でもダメ。重さだけではなく、「どこに重さがあるか」が重要だからです。

なぜなら太陽光は片側だけに乗っているから。

あなたの片側だけに鉄アレイが乗り続けたとして、バランスよく生活できると思いますか?

30年以上も片側だけ重かったら体がおかしくなりそうですね。

重さを考慮して計算してくれるのは許容応力度計算だけ。見落としがちですが注意が必要です。

③ 2階建ての場合、1に柱がないのに2階床梁にある耐力壁

これも品確法による耐震等級3だけでは適切に評価できない内容です。もちろん、構造計算を行っていない「耐震等級3相当」であれば、なおさら注意が必要です。

梁の大きさというのは曲げ、たわみ、せん断ということを考慮しますが一般の方は理解しなくてよいです。

品確法では、梁の大きさは主にスパン(梁の長さ)によって決まります。

耐力壁が働くのは地震や強風の時ですが、それらの力が働いたとき、片側は浮く力が働き、片側は押す力が働きます。

梁がたわむと、耐力壁は本来の性能を十分に発揮できません。

それを考慮しているのは許容応力度計算だけ。

だから耐力壁をたくさんつけた『耐震等級3相当』みたいな物件はこういったことが頻繁にあります。

(1階の耐力壁の位置もコストアップにつながるやり方が多いけど今回は省きます)

十分な注意が必要です。

以上の3つは実際によく見かける計画です。

家づくりを検討される方は、『耐震等級3です』という言葉だけではなく、どのような方法で耐震等級3を取得しているのかまで確認してみてください。

家づくりでは数字だけでなく、その数字がどのように導き出されたのかまで確認することが大切です。

みなさまの家づくりの参考になれば幸いです。

※この記事は一般的な住宅を対象とした内容です。個々の建物によって条件は異なるため、詳細は設計者へご確認ください。