階段の位置で家は変わる|後悔しない間取りの3つの設計ポイント
豊橋市の工務店。ニコハウス設計室代表で一級建築士の鈴木です。
豊田市で建築中のKさま邸。
大工さんの工事は中盤にさしかかり、階段を工事中です。
間取りの相談を受ける中で、意外と見落とされているのが「階段の位置」です。
階段は2階へ上がるためのものと思われがちですが、実は家全体の使い勝手や広さ、居心地まで左右する重要な要素です。
弊社が階段を計画する位置として注意している点は
① できるだけ登り切った先が2階の中央になるようにする
② 1階から上る位置は玄関ホール付近にする
③ 階段だけの用途にならないよう居場所や視線の抜けにも寄与するものとする。
私たちが特に大切にしているのは、この3つです。
どうしてそのように計画するのかということをご説明します。


① できるだけ登り切った先が2階の中央になるようにする
について、このように計画すると、2階の廊下を大幅に短くできます。上手に設計すれば2〜3坪ほどコンパクトになることもあります。
逆に家の端で上がって各部屋まで長ーい廊下ができてしまうのが一番よくない。廊下はできるだけ短くしたい空間です。暮らしに必要な広さを確保しながら、無駄な面積を減らすことでコストも抑えられます。
② 1階から上る位置は玄関ホール付近にする
について必ずしも玄関の近くである必要はありませんが、大事なのは動線を交差させないことになります。
私ができるだけ避けたいなと思う階段の位置は、リビングの一番奥にあるパターンと、テレビの前を横切るパターン。
テレビを見ている人も、横切る人も、お互いに気を遣うことになります。
どちらも落ち着きのないリビングになりますし、広くても狭いというリビングになってしまいます。玄関に近くなくてもいいけど、その2点を注意すると居心地のいいリビングになることでしょう。
最近はリビング階段が人気ですが、どこに配置しても良いわけではありません。


③ 階段だけの用途にならないよう居場所や視線の抜けにも寄与するものとする。
についてはできればそうしてあげたいという想いになりますが、階段を階段だけで使うのがもったいないということです。
例えば、腰掛けたり、本を読んだり、お子さんが遊んだり。
家族が自然と集まる場所になることもあります。また吹き抜けと組み合わせれば、光や風を運ぶ場所としても活躍します。
以上3つに気遣いをしながら間取りを計画すると、まったく違った無駄のない魅力的な計画になります。
現在、間取りを検討中の方は、ご自身のプランとぜひ見比べてみてください。
当てはまる部分があれば、再考してもらうことをお勧めします。


最後に、階段は施工も難しいというお話。
大工さんを職業とされている方でも、階段を造れない方はいらっしゃいます。
弊社の場合、既製品を使わない分加工の間違いも許されません。
でも当たり前のように階段をかけてくれます。
階段は毎日何十回も使う場所です。段差の高さが少し違うだけでも違和感があります。
当たり前のように上り下りできる階段ほど、高い精度で施工されています。
毎日使う場所だからこそ、設計も施工も妥協できない部分なのです。
Kさま順調に工事が進んでいます。そろそろ内装しっくいの色目とタイルのデザインを決めなくてはいけません。
ご検討よろしくお願いいたします。